屋比久知奈

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 ウォルト・ディズニー・アニメーションの約90年の歴史をひも解く展覧会「ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法」の開会式が4月6日、東京・日本科学未来館で行われ、「モアナと伝説の海」(公開中)の日本版で主人公モアナの声を務めた屋比久知奈、メアリー・ウォルシュ氏(ディズニー・アニメーション・リサーチ・ライブラリーのマネージングディレクター)らが出席した。屋比久は同作の主題歌「どこまでも How Far I'll Go」を生披露して、展覧会のオープンを祝福。力強い歌声で場内を魅了し、式典に花を添えた。

 本展覧会は、短編アニメ「蒸気船ウィリー」(1928)から、最新作「モアナと伝説の海」までの原画やスケッチ、コンセプトアートなど約500点を展示。多数の名作を生み出したディズニー・アニメーションの技術の歴史を、年代ごとに5つのゾーンに分けて紹介する。

 式典前に行われた内覧会にも参加した屋比久は、「入り口からディズニーの世界観があふれていて、見ている間、ずっとわくわくしていた。絵それぞれに夢があって、ストーリーがある。もう一度ディズニーの作品が見たくなりました。本当に楽しいです!」と興奮の面持ち。「モアナと伝説の海」のコーナーについては、「コンセプトアートという、今の形になる前の絵やモアナのデザインが展示されていて、こういう過程を経て素敵な映画が出来上がったんだなと感じることができました」と熱心に語り、そのうえで「監督が描かれたスケッチブックがあったり、貴重なものばかりで感動しました。たくさんの歴史のなかの、『モアナ』という作品に関わることができたのは幸せなことだと感じました」と喜びを噛み締めた。

 内覧会では、ウォルシュ氏が取材に応じた。日本初公開の作品が多く、初期作品を対象とした第1ブース「動きだすいのち 重力をもったキャラクターたちの誕生」では、「蒸気船ウィリー」のストーリースケッチを例にあげ「絵の横にセリフがタイプされている。今現在ストーリースケッチはこういう形では作られていないので、大変珍しいものです」と説明。また、展覧会の最後を締めくくる「モアナと伝説の海」コーナーでは、ジョン・マスカー監督のスケッチブックを紹介した。「モアナの制作初期のもの。監督が作品のリサーチ先で体験し観察したものが描かれている。ここからキャラクターや世界観がはじまりました」。

 ディズニーアニメーションの進化の歴史を辿る一方で、「変わらないもの」も感じ取ることができるという。ウォルシュ氏は、「現在のアーティストと、ウォルト・ディズニーと一緒に仕事をしたアーティストの信念としていた3つのものは変わらずある」と言い、「説得力のある美しい世界を作ること。心に訴えるような魅力的なキャラクターを描くこと。そして聞きたいと思うような素敵なストーリーを作ること。この3つの理想が、ディズニーアニメーションの礎になっています」と解説した。

 「ディズニー・アート展 いのちを吹き込む魔法」東京展は、日本科学未来館で4月8日〜9月24日に開催。大阪、新潟、仙台展も決まっている。