完全復活を印象付けているロジャー・フェデラー【写真:Getty Images】

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全盛期を超える全盛期、35歳復活の秘訣「批判こそが自分を優れた選手にする」

 男子テニスのマイアミ・オープンで今季3勝目を挙げたロジャー・フェデラー(スイス)。通算37度目の対決となったラファエルナダルを下し、11年ぶり3度目の優勝を飾った。全豪オープンに続き、今季の「マスターズ1000」で2勝目を挙げ、35歳のレジェンドは完全復活を印象付けている。

 昨季、左膝の故障で手術を受け、後半戦欠場を余儀なくされたフェデラーの復活劇の裏には、一流ならではの哲学が存在するようだ。アメリカの自己啓発プログラム「ゴールキャスト」が紹介している。

「今は自分が成長するために、何が必要なのか理解している。全盛期でも常に自問自答していたよ。何週間も何か月も続けて世界ランク1位にいた時も。そういう時も、何かを変える必要はあるのだろうか。もしも、変化を選ばなければ、何年も同じことをただ繰り返していたとするなら、人は何も変わらない。現状維持は後退を意味するんだよ」

 冴え渡るショット、優雅な動きなど、2度目の全盛期を迎えた感のあるフェデラーは自身の流儀をこう語った。「現状維持は後退」。2004年から2012年まで世界ランク1位の座を守り抜いたフェデラーの1位在位記録302週はテニス史上最長記録でもある。

「コートを踏むたび、歴史を塗り替えるができるかもしれないと考えている」

 この間も、強力なライバルを凌駕するために、フェデラーは常に進化を求め続けたという。スーパースターにつきまとう批判もエネルギーに変えたことを明かしている。

「時に批判を耳にすることもあるけれど、それこそが自分をより優れた選手にするものと考えている。自分のことを真剣に考えているからこその言葉だろうからね。これはビジネスの世界でも同じだ。ゴールを設定しなければ、自問自答することなどできないだろう。ただ一つの地点から別の地点に移動するだけだ。そして、これでいいんだ、というかもしれない。

 調子がいい時には、もっと何ができるのか。もっと優れた存在になれるのか。もっと厳しいトレーニングができないか。毎回コートを踏みしめるたび、歴史を塗り替えることができるかもしれないと考えているんだ。自分のできることはベストを尽くすこと。それでいいんだよ」

 頂点に達成してなお、まだ見ぬ景色を求めて更なる上を目指す。35歳にして全盛期を超える全盛期を見せているフェデラーの復活を支えたのは、この哲学かもしれない。