懐かしいサウンドのようで、実は最先端 / 『Tuxedo II』タキシード(Album Review)

写真拡大

 2016年夏、ソロ・アルバムとしては3年振りとなる『マン・アバウト・タウン』をリリースした、メイヤー・ホーソーンと、ラッパーの50セントやデ・ラ・ソウルなどの作品を手掛ける音楽プロデューサー、ジェイク・ワンによるファンク・ユニット、タキシードの2年振り、2作目となるアルバム『Tuxedo II』が、2017年3月24日にリリースされた。

 本作も、2015年にリリースされたデビュー作『Tuxedo』同様、80年代のファンク/ディスコをそのまま焼き直したようなナンバーが目白押しで、全11曲、捨て曲ナシと断言できる、2年待ったファンも納得の仕上がりとなった。

 ラッパーのスヌープ・ドッグがゲスト参加した、冒頭の「Fux With The Tux」から、煌びやかなニューヨーク・ファンクが炸裂。「2nd Time Around」、「Take A Picture」と、当時のファンクを忠実に再現したナンバーが続き、時代の勢いまでも凝縮されている。シンセと生ドラムが響く、スペイシーな「Scooter's Groove」や「U Like It」も秀逸。

 しいていえば、もう少し強弱が欲しい。というのも、AOR風のミッド・チューン「Shine」や、唯一のスロウジャム「July」が素晴らしいからだ。ダンスフロアを盛り上げるファンクやディスコの完成度は言うまでもないが、それが続き過ぎて、途中やや中だるみ感がある。それだけに、この2曲のようなメロウ&ミディアムファンクがもう少しあれば、1曲1曲の良さが更に際立ったのではないだろうか。それだけ、彼らのアーバン・メロウには魅力がある。

 昨年あたりから、ブルーノ・マーズ、ザ・ウィークエンド、カルヴィン・ハリスなどの人気シンガーが、80年代テイストを取り入れた曲を立て続けにヒットさせている。大流行中のエイティーズ・ファンク満載の本作は、懐かしい音のようで、実は最先端なのかもしれない。


Text: 本家 一成

◎リリース情報
『Tuxedo II』
タキシード
2017/3/24 RELEASE