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デロイト トーマツ コンサルティングは4月6日、デロイトがグローバルでテクノロジー利用の最新の動きについて毎年まとめているという「Tech Trends」に、日本の動向と日本企業への影響を加えて解説した「Tech Trends 2017日本版」を発表した。

同レポートでは「組織の垣根を越えるIT」「ダーク・アナリティクス」「機械知能(MI、Machine Intelligence)時代の到来」「複合現実(MR:Mixed reality)」「イネビタブル・アーキテクチャ」「サービス化されていくシステム」「ブロックチェーン」「飛躍的進化が期待される技術のウォッチリスト」の8点を主なテーマとして取り上げている。

組織の垣根を越えるITについては、システムの運用管理と導入方法が進化するにつれ、一部の企業は部門横断的なチームを組成し、IT間のサイロ(縦割り構造)を取り除く試みを始めている。2000年代におけるCIOの仕事に対する社会の共通認識は、単純に「火を灯し続けること」だったが、今日では違うという。先見の明のあるCIOは、今後数カ月の間にIT部門を柔軟で組織の垣根を超えるものへと変革させるだろうとしている。

ダーク・アナリティクスに関しては、多くの企業において、拡大し続けるデータストアは非構造化のまま分析も手つかずになっているという。画像やオーディオ、ビデオ・ファイル、あるいはIoTで生成するセンサデータ、深層ウェブに眠る莫大なローデータなど、新たな種類のデータから情報を探索することができている組織はほとんどないと指摘する。ダーク・アナリティクスは、これらのデータを探索し、従来の構造化データからでは明るみに出すことのできなかった事業戦略やオペレーション、顧客に関する精度の高いインサイトを得ることを狙いとしている。

機械知能(MI)時代の到来については、AIの発展により、無数かつ多様なケイパビリティを生み出してきたとする一方で、その姿については正しく理解されていないこともあると指摘。また、AIはコグニティブ・コンピューティング領域における発展の中で、一部を形成するに過ぎないという。間もなく、これらと関連するツールが組み合わさり、新しいコグニティブ時代の進化を総称してマシン・インテリジェンス、つまり機械知能を構成する世界がやってくると同社は予測している。

複合現実(MR)は、拡張現実(AR)とバーチャル・リアリティ(VR)を利用するビジネスの可能性が高まっており、一時的かつパイロット的な取り組みだけではなく、日常の業務に適用する事例が日々生み出される状況になりつつあると指摘している。複合現実は、AR/VRとIoTという異なる技術分野の融和によって作り上げられており、仮想と現実の世界が結びつき、デジタルと現実世界が共存しながら相互作用する、新たな世界が生まれているという。

イネビタブル・アーキテクチャは、技術革新と成長を可能にする柔軟なソリューションの迅速な開発と展開をサポートするために必要となる基盤を提供する。新技術を取り入れ、システム・アーキテクチャが絶え間なく進化することで、ビジネス戦略の展開スピードも速くなり、競争の差別化要因となり得るとしている。

サービス化されていくシステムに関しては、多くの企業において既存ビジネスの再整理が進んでいる。直近で到来しているデジタル化のトレンドの中で、将来を見据えて中長期的にビジネスの基盤となりうる「顧客主義・成果ベースのサービス指向プラットフォーム」を実現するロードマップを描くことが必要だという。このような状況において、Everything-as-a-service(XaaS)がビジネス上、大きなインパクトを与えうるトレンドとして、昨今本格的に検討が開始されている。

ブロックチェーンは、数年前まではビットコインのような仮想通貨に関連する単なる共有台帳技術にすぎないと世間から認識されていた。現在では、分散型台帳においてスマート・コントラクトが執行できるようになったことで「未成熟な仮想通貨」という世間の認識から脱却しつつあり、「トラスト経済圏」の守護者という新たな役割を担おうとしている。

飛躍的進化が期待される技術のウォッチリストについては、ナノテクノロジーや高度エネルギー貯蔵技術、合成生物学や量子テクノロジーのビジネスへの応用など、同レポートで扱う「技術の飛躍的進歩」は、まだ兆しがわずかに表れてきているにすぎないという。これらが現実のものとなるのは、今後2年〜5年のことと同社は推測するが、現実となった際には、市場に与える影響は拡大していくと想定している。

(山本善之介)