現行型は車名からコンチネンタルの名が外されていますが、元々は2ドアクーペのコンチネンタルGTをベースに4ドア化されたのがベントレー・フライングスパー。

1

2017年モデルの最新型に試乗する機会がありましたので、ご報告したいと思います。4.0LのV8ツインターボを搭載する「フライングスパー V8 S」(車両本体価格:¥19,450,000)は、528ps/6000rpm、680Nm/1700rpmというスペック。

W12気筒を積む「フライングスパー W12 S」の635ps/820Nmには遠く及びませんが、街中から高速域まで適度な(予想以上の)軽快感があり、自らステアリングを握るのであれば「フライングスパー V8 S」のバランスの良さの方が運転しやすいかもしれません。

それでもシーンを問わずトルク感、パンチ力ともに強烈で、首都高速のレインボーブリッジの上りでもアクセルを大きく踏み込むのは躊躇するほどの力感にあふれています。また、変速ショックなどほとんど感じさせないZF製の8ATとのマッチングも良好。

細かなツッコミですが、細長いパドルシフトがステアリングから遠く、手の小さな私では操作しにくいのと、左側(シフトダウン/マイナス)のパドルシフトとウインカーが少し干渉するというか、一瞬どちらがウインカーか迷うこともありましたが、慣れてしまえば問題ないのは確かなところ。

乗り心地の良さも美点で、試乗車はオプションの21インチタイヤ(275/35ZR21、ピレリP ZERO)を履いていましたが、電子制御のエアサスペンションをスポーティにしても若干硬くなるかな、という程度でスムーズな足の動きはほとんど変わりません。

 

前席はもちろん、後席も路面を舐めるような乗り心地が味わえますし、コンチネンタルGTと比べると320mmロングホイールベース化されていることもあってか、上下方向の動きがより抑制されているように感じます。

スポーティかつパーソナル感のあるコンチネンタルGTも魅力ですが、とくにフライングスパー V8 Sはフロントノーズが重すぎず、5.3mを超える全長、2.0mに迫る全幅という巨体にも関わらず、走り出してしまえばドライバーとの一体感のある走りが味わえます。

ベルトラインが高く、包まれ感のあるキャビンは、前後席どちらに座っても下界から遮断されたような心地よい空間になっています。もちろん、急なゲストを迎えても広々した後席が控えていますし、オーナーが後席でリラックスすることもできます。

それでも、スポーティなドライバーズサルーンであることは間違いなく、1台で何度も美味しい想いができる1台といえそうです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

「1台で何度も美味しい」操縦安定性と出力のバランスに秀でた「ベントレー・フライングスパー V8 S」(http://clicccar.com/2017/04/07/461141/)