フィンテックに「売上40%」を奪われる 英金融業界に危機感

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EUからの離脱は、イギリスの銀行や金融サービスにどの程度の打撃をもたらすのだろうか。さらに、フィンテックのスタートアップ企業にどの位、売上を奪われることになるのだろうか。

PwCは「Redrawing the lines」と題したリポートを発表した。それによると、金融サービス業界の61%のリーダーらが今後、「売上の40%をフィンテック企業に奪われることになる」と予測しているという。

この調査は金融セクターで働く1300名以上のリーダーらを対象に行われた。結果から英国企業の47%が今後5年以内にフィンテック関連企業の買収を検討中であることも明らかになった。また、フィンテック企業と戦略的提携を考えている割合も81%に及んだ。

世界レベルでは金融業界からテクノロジー企業への売上の流出率は年間で15%というが、英国ではこの数字は9%に留まっている。しかし、ブレグジット以降はどうなるのか? PwCによると「英国の企業はフィンテック企業への投資対効果(ROI)を、他の国の企業よりも慎重にとらえている」という。

英国企業のリーダーらはフィンテックからの年間ROIを13%と見込んでいるが、それ以外の諸国のリーダーらはこの数値を20%と予測した。PwCのフィンテック部門長を務めるSteve Daviesは「英国の金融セクターの人々は状況を現実的に受け止めている。巨大なコスト削減のプレッシャーがかかる中で、ROIを意識した投資は非常に重要だ」と述べた。

Daviesはまた「英国ではフィンテック領域が活性化しているものの、ブロックチェーンのような新たなテクノロジーの投入にはまだ時間がかかる」と述べている。

回答者の92%は顧客の多くがフィンテックを活用した決済を導入しつつあると述べた。しかし、その一方で、銀行や保険企業のメンバーで顧客とのコミュニケーションにスマートフォンを活用していると述べた割合は22%に留まった。

リポートはまた、英国企業らがブロックチェーン等の先進技術の導入に旺盛な意欲を示していることを指摘する。ブロックチェーンのコンセプトに対し「かなり」もしくは「非常に」親しみを感じると回答した人の割合はグローバルで平均24%だったのに対し、英国では35%だった。

ブロックチェーンが果たしてEU離脱後の英国の金融サービスを支えることになるのかどうか。今後の動きを注視していきたい。