ヨーロッパの地図。

写真拡大

 英国が欧州連合(EU)からの離脱を正式に宣言した。3月29日のことである。だが、この話はそれとあまり関係がない。英国の主要部分を構成する右の島、グレートブリテン島(言わずもがなのことを言うと左はアイルランド島)が、欧州が属するユーラシア大陸から分離し、独立した島となったのは50万年ほど昔のことである、とする学説が、地質学の世界において提示されたという。

 逆に言うと、この説に従うならば、「ほんの50万年前」まで、ブリタニアとかアルビオン(いずれもラテン語におけるグレートブリテン島の古称)とか呼ばれることになるあの一帯は、ユーラシア大陸の一部であったということでもある。

 ちなみに、ほんの参考程度に話をするが、日本列島は今から1,000万年くらい前にはもう日本海の成立と海抜の上昇によって大陸から切り離され、島々を形成するようになっていたらしい。それと比較すると50万年というのは実際、実に「最近」である。

 さて。今回の研究の話をしよう。地質学の世界では、100年ほど昔から、「グレートブリテン島はいつ大陸から分離したのか」というのは大きな研究上の謎であったらしい。今回、国際研究チームは、その謎に答えを出した、と主張しているわけである(提示された仮説について、今後専門的な検証が待たれるものであり、この話はまだ実証されたと言えるわけではない)。

 通説によると、45万年ほど昔、地球は氷河期で、今のドーバー海峡のあたりはツンドラのような様相であったらしい。今回の説では、そこに内陸部の河川から水が流れ込み、大きな湖ができた。その湖がまたとてつもなく巨大な滝を生み出し、その滝が地峡を削り取り、やがて海と繋がってグレートブリテン島を分離させたのではないか、という。

 研究の詳細は英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)に掲載されているとのことである。