ユアンは僕にとってのクラリネット - 映画『T2 トレインスポッティング』メイキング写真

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 20年ぶりの続編『T2 トレインスポッティング』を完成させたダニー・ボイル監督が電話インタビューに応じ、主人公レントン役のユアン・マクレガーとの久々の仕事について熱く語った。

 ユアンとは映画監督デビュー作『シャロウ・グレイブ』(1994)から『トレインスポッティング』(1996)、『普通じゃない』(1997)とタッグを組んで相性の良さを見せてきたボイル監督だが、『ザ・ビーチ』(1999)の主演をユアンにすると示唆しつつも、スタジオの意向などもあって結局レオナルド・ディカプリオにしたことで不仲に。2009年に和解するまでの10年間、口も利かなかった。

 そんなユアンと再び分かり合い、互いの名声を高めた『トレインスポッティング』の続編で実に20年ぶりとなるタッグを組んだボイル監督は「ユアンとの仕事は僕にとって素晴らしいことだった。なぜなら僕らは本当に長い間、仲たがいをしていたから。彼と再び仕事ができて本当に楽しかった。僕にとって、彼はクラリネットなんだ。オーケストラの中で最も完璧な……フフフ(笑)、楽器だ。最も甘美な響きのね」と盟友への思いを勢いよく話し始める。

 本作が描くのはスコットランドのジャンキーだったレントンら若者たちの20年後で、中年になり、勢いだけではどうにもならなくなった男たちの姿を、実際に同じだけ年を重ねたキャストが体現し、同じだけ年を重ねた監督が映し出した。それだけにいろいろな感情が押し寄せたといい、ボイル監督は「この映画をつくっていて気付いたことの一つは、僕がいかにユアンとの仕事を恋しく思っていたかだ。本作みたいな映画をつくると自分についてたくさんのことを学ぶことになるのだが、僕はそのことに気付いたよ。僕は彼のことを本当に恋しく思っていた」と打ち明けた。

 そうして迎えるラストは全ての「トレスポ」ファンの胸を熱くするはずの名シーンとなったが、ボイル監督にはそれ以上の意味があったという。「この映画のラストのイメージは、僕にとってはとてつもないものだった。あのシーンが撮れてとっても幸せだったから、ユアンに言ったんだ。もし今死んだとしても……バスにひかれたり、彼の隣で雷に打たれたりしてね(笑)、それでも幸せな男として死ねるって。だって僕が最後に撮ったものは、君がレントンとして存在したあのシーンなんだから。これ以上に映画監督のキャリアを終えるのにふさわしい最後なんてないよね?」。(編集部・市川遥)

映画『T2 トレインスポッティング』は4月8日より全国公開