5日、韓国・KBSテレビは韓国検察の取り調べを受けていた容疑者が検察庁舎のトイレから逃走した事件について伝えた。資料写真。

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2017年4月5日、韓国・KBSテレビは韓国検察の取り調べを受けていた容疑者が検察庁舎のトイレから逃走した事件について伝えた。

3日午後3時ごろ、強盗と性的暴行の容疑で逮捕されソウル近郊・議政府(ウィジョンブ)地検で取り調べを受けていた男(26)が検察庁舎から逃げ出した。腸炎を患っていた男は取り調べ中にトイレに行きたいと要求、手錠を外してもらいトイレの個室へ。万一の場合に備え個室前には捜査官2人が待機、所在確認のため個室内の男に何度か声も掛けていたが、男はなぜ逃走できたのか。

秘密は個室の壁にあった。男が入った個室の左壁には小さな鉄製の扉があり、そこを開けると水道配管が2階から1階トイレに通じている。配管脇の、大人1人がようやく通れるくらいの空間を伝って1階に下りた男は、清掃要員の休憩室の窓から外に出たのだ。皮肉なことに、この休憩室はもともと倉庫だった空間を改造したという事情もあり、建物の中で唯一、窓に鉄格子が設置されていなかった。

厳重に見張っていたはずの容疑者に逃げられた同地検関係者は皆、この事態に当惑するばかりだった。何年もここに勤務した捜査官でも、トイレの個室の鉄扉を開けたことがなく、中に何があるのかまったく知らずにいたからだ。こうした鉄扉は1980年代初めに建てられた建物だからこそあるもので、新しい建物ではほとんどみられないという。

この庁舎には他にも問題がある。数年前、庁舎と塀1枚を隔てたすぐ横に庁舎を見下ろすように巨大なマンションが建ち、マンションからは取り調べ室の様子まではっきりと見える状態なのだ。今回逃げた男も、この塀を乗り越えマンション敷地に侵入、そこから車を盗んでソウルまで逃げていた。

容疑者逃走の原因を「トイレの構造」とした検察の釈明についてその背景を解説したこの記事だが、韓国のネットユーザーの間では「鉄扉のことを誰かが教えない以上、分かるわけがないのでは?」「検察官も知らないことを容疑者がなぜ知ってたんだ?」「捜査官には、鉄の扉を開ける音も聞こえなかったということ?」と、むしろ疑問が増幅しているようだ。

また、「検察はこうやって自分たちのミスをかばい合うのか。これが警察だったら懲戒とか騒ぎになるのに」「それで、逃がした検事への処罰はないの?」「検事は絶対にミスをしない。何があっても言い訳して人のせい」と検察批判のコメントや、「トイレに責任を押し付けるのは、朴槿恵(パク・クネ前大統領)政権の専売特許だな」との声が寄せられている。(翻訳・編集/吉金)