中国高速鉄道は今やアジアの高速鉄道市場において新幹線と受注競争を繰り広げるまでに成長したが、自動車産業においては日本車と互角に渡り合うことのできる中国車はいまだ存在しない。産業の競争力という点では大きな違いのある中国の高速鉄道産業と自動車産業だが、両者には「外国から技術を導入した」という共通点が存在する。(イメージ写真提供:(C)Guo Zhonghua/123RF.COM)

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 中国高速鉄道は今やアジアの高速鉄道市場において新幹線と受注競争を繰り広げるまでに成長したが、自動車産業においては日本車と互角に渡り合うことのできる中国車はいまだ存在しない。産業の競争力という点では大きな違いのある中国の高速鉄道産業と自動車産業だが、両者には「外国から技術を導入した」という共通点が存在する。

 中国メディアの今日頭条は3月31日付で、中国の高速鉄道産業と自動車産業はどちらも海外から技術を導入したにも関わらず、競争力や発展度合いという点で「天と地ほどの差がついた」理由について考察する記事を掲載した。

 記事はまず「中国の高速鉄道産業の人材は自動車産業の人材よりも賢いのだろうか」と疑問を投げかける一方で、「これは絶対にあり得ないこと」と説明。また、「中国高速鉄道の市場が巨大であるため、より有利な条件で技術導入できたのか?」という問いについても、市場規模としては自動車市場のほうが圧倒的に大きいと指摘した。

 続いて高速鉄道産業と自動車産業に差が生じた真の理由について、自動車産業は技術を導入するために「市場を開放」したことが失敗につながったと指摘。中国政府は「市場と技術を交換する」という方針のもと、外資の自動車産業への参入を条件付きで認めたが、それによって中国の自動車市場は外資メーカーに奪われてしまい、中国メーカーも外資に依存することになってしまったと指摘し、自動車産業に競争力がないのは政策のミスであったと指摘した。

 一方、中国の高速鉄道産業が成功を収めることができたのは自動車産業のミスを教訓とし、外国から技術を購入しつつも「市場を開放しなかった」ことが大きな要因だと指摘した。

 また記事は、自動車産業では技術の導入先は外資企業と中国企業の合弁会社だったため、中国メーカーが直接的に技術を得ることができなかったことも差がついた要因と指摘。合弁企業を通じて中国メーカーは「生産能力」を得ることができたが、研究開発や技術革新の能力を得ることができなかったと指摘し、それゆえ中国メーカーの技術力は向上を見なかったと論じた。

 一方、高速鉄道産業の場合、技術移転を受けたのは中国企業であるうえ、技術導入以前に中国側は準高速鉄道車両の研究開発を行っていたため、「すでに存在していた研究開発や技術革新の能力を通じて、導入した技術をさらに発展させることができた」のだと主張した。

 中国高速鉄道は新幹線の知的財産権を侵害しているとする見方もあるが、今となってはこの点で議論するよりも、日本としては中国高速鉄道を上回る技術を開発したり、イノベーション能力を高めたりするための投資を続けていくことの方が大切だと言えよう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Guo Zhonghua/123RF.COM)