By Siddartha Thota

最も人気の高いLinuxディストリビューション「Ubuntu」を開発しているCanonicalは、次期バージョンとなるUbuntu 18.04 LTSにおいて、標準デスクトップUIを独自に開発してきた「Unity」から、従来の「GNOME」環境に戻すと発表しました。同時に、スマートフォンとタブレット、デスクトップで同じものを共有できるOSを搭載する「Ubuntu Phone」の開発からは距離を置き、今後はクラウドやIoTへの投資に注力する方針を発表しています。

Ubuntu Unity is dead: Desktop will switch back to GNOME next year | Ars Technica

https://arstechnica.com/information-technology/2017/04/ubuntu-unity-is-dead-desktop-will-switch-back-to-gnome-next-year/

Ubuntu創始者でありCanonical設立者の1人でもあるマーク・シャトルワース氏は2017年4月5日、ブログを投稿してUbuntuの方針転換を発表しました。

Growing Ubuntu for Cloud and IoT, rather than Phone and convergence | Ubuntu Insights

https://insights.ubuntu.com/2017/04/05/growing-ubuntu-for-cloud-and-iot-rather-than-phone-and-convergence/



「Ubuntuを電話とコンバージェンス方向ではなく、クラウドとIoTのために成長させる方針」という意味のタイトルを持つブログの中でシャトルワース氏はまず、デスクトップ向けUIであるUnityの最新版である「Unity8」および、取り組みを進めてきたスマートフォンなどモバイル端末を共通のOSで結ぶ「コンバージェンス」構想への投資をストップさせることを発表。そして、2018年4月にリリースされる「Ubuntu 18.04 LTS」からはデスクトップのUI環境をGNOMEに戻すことを明らかにしました。シャトルワース氏はまた、「何百万人というユーザーが存在しているデスクトップ版Ubuntuへの情熱や投資、コミットメントは継続中」であることを述べ、従来の商業パートナーやユーザーのサポートを含む業務は継続することを述べています。

なお、シャトルワース氏のブログではスマートフォンOSについての明確な記載はありませんが、CanonicalのCommunity Managerであるマイケル・ホール氏は、ArsTechnicaの取材に対して「Ubuntu Phoneとタブレット、それらをカバーするコンバージェンスに関する仕事は終わった」と回答したとのことです。

Ubuntu OSを使ったスマートフォンやタブレットは2015年から2016年にかけていくつかの機種が登場しており、ヨーロッパを中心に販売されていましたが、商業的に成功を収めることはありませんでした。

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そしてこの中で浮き彫りにされているのが、Ubuntuが広く用いられているクラウド関連やIoT関連分野への注力です。クラウドコンピューティングが広く普及するようになりましたが、実はクラウドサーバーの大部分はUbuntuなどのLinux環境で稼働しており、Ubuntuはその中でもトップのシェアを誇っています。また、自動車やロボット技術、ネットワーク、機械学習などの分野にもUbuntuは広く用いられており、Canonicalはそこで大きな利益を上げているとのこと。この両分野に関する商業的な取り組みは数と規模の両面で安定的な成長を見せるに至っているとのことです。



By Ricardo Bernardo