年収1億円を超えるYouTuberが登場するなど、YouTubeにムービーをアップロードすることでお金を稼げる時代になりました。「アップロードしたYouTubeムービーが再生されるとどうやってお金が発生するのか?」「発生したお金をYouTubeとムービー制作者でどのように分け合うのか?」など、YouTubeのお金にまつわるシステムを分かりやすく解説するムービー「This Video Made $1,437 at Auction. How Ads Work on YouTube」が公開されています。

This Video Made $1,437 at Auction. How Ads Work on YouTube. - YouTube

YouTubeは広告収益で成り立っています。



このムービーを見るときにも画面に現れる「広告」です。



YouTubeのお金にまつわる関係者は3者。ムービーを作ってアップロードする「クリエイター」と広告を出したい「広告主」……



そして、この2者を結びつける「YouTube」です。



YouTubeの広告配信では、どの広告をコンテンツにどう配置するかを人間が考えてスケジューリングするという昔ながらの広告会社的な手法は使われていません。



そもそも、24時間止まることのないYouTubeにとってスケジュールという概念自体がありません。



「バイラルメディア」というフレーズが生まれるくらい、YouTubeの人気ムービーは強力な拡散力を持っています。



1日にYouTubeにアップロードされるムービーの総時間は65年。



アップロードされたムービーは1日に10億時間も視聴されます。



ナイアガラの滝の水のようにムービーがなだれ込んでくる、というのがYouTubeの現状。



これらのムービーに出す広告を、一つ一つ人間が決めることは不可能です。



そこで、広告を表示させる役目はボット(コンピューター)が行います。



クリエイターが作成したムービーがYouTubeにアップロードされると、ボットが受け取ります。



ボットはムービーのタイトル、キーワード、カテゴリ、コメント、評価などを手がかりに……



そのムービーがどのようなカテゴリに属するムービーなのかをおおよそ判断します。



他方で、広告主もボットを使っています。広告主が広告を出したいムービーのカテゴリがどのようなものか、反対に広告を出したくないカテゴリは何かを広告主はボットに学習させています。



YouTubeのムービーがクリックされると……



YouTubeボットはムービーのカテゴリやムービーがどういう内容なのかの予想を提示して、入札を募ります。対して広告主ボットは、広告主の意向通りに入札します。



こうして、YouTubeボットが「最も収益が高いだろう」と判断した広告主が落札する、というのがYouTubeの仕組みです。なお、このオークションは、わずか数ミリ秒のあいだに行われます。



ここでのポイントは、落札するのは必ずしも最高額を提示する広告主ではないということ。



それは、広告料が発生するのにさまざまな仕組みがあるから。例えば、スキップできる広告ムービーの場合は……



視聴者が広告をスキップした場合、広告料は発生しません。



広告料が支払われるのは広告がクリックされたり、広告ムービーが視聴された場合のみ。



つまり、例え「高い広告料を支払う」と広告主ボットがアピールしても……



スキップされまくるコンテンツの場合、YouTube側は利益を生まない退屈な広告として却下できるというわけです。



YouTubeもクリエイターも「クリックされて初めて利益が生まれる」というのが大原則です。



広告料が安くても高いクリック率の広告の方が、広告料が高くてもクリックされない広告よりも、YouTube側にとって収益の高い良好な広告というわけです。



「退屈かそうでないか」がYouTubeでは非常に大切な要素になっています。



視聴者が退屈しないように、YouTubeボットは視聴者がどんな好みなのかを調べます。



年齢、性別、収入、住んでいる場所、興味などをYouTubeムービーの視聴履歴や使っている端末、アクティビティなどから推測します。



このYouTubeを視聴するユーザーの情報もオークションの対象になります。



買ったユーザー情報をボットに教えることで、広告主はよりターゲットを絞った効果的な広告表示ができるようになります。



以上のような仕組みなので、ムービーが再生される前に表示される広告があらかじめ決まっているというわけではありません。



ムービーの内容やユーザー情報や、さらには広告主の意向などが反映されて、表示される広告がその都度決まります。



このため、毎回同じ広告が表示されるというわけではありません。



視聴するユーザーや視聴するタイミングごとにさまざまな広告が表示されることになります。



つまり、広告が表示される仕組みは一言では語れません。



広告のオークションや……



ムービーの内容



視聴者の属性



広告料



オークションに参加する広告主の数



以上のようなさまざまな要素が合わさって、結果として最適の広告が表示されることになります。



同じ再生回数でもクリエイターに支払われるお金が何倍も違うということもあり得ます。



条件ごとに異なるとはいえ、誰もが知りたいのは「平均値」



10万ビューはどれくらいのお金になるのか?



あくまで推測されるざっくりとした平均値ですが、YouTubeのムービーが1回再生されると0.25セント(約0.3円)の広告料が支払われます。



この広告料をYouTubeとクリエイターで分け合うことになります。



もちろん、クリエイターにいくら支払われるかの割合も変動します。



やはりざっくりですが、1000回ムービーが再生された場合を考えます。このときに支払われる広告料は約2.5ドル(約300円)



あくまで平均ですが、YouTubeが45%、クリエイターが55%の割合で、広告料を分け合うと推測されています。



つまり、100万再生の場合……



YouTubeは1100ドル(約12万円)、クリエイターは1400ドル(約15万円)の収益を上げるというわけです。ただし、あくまで推測される平均値。



実際にどれくらいの収益が上がるのかはオークションの結果次第です。