英ストラトフォード・アポン・エイボンの老人ホームで行われた慈善イベントで、ボランティアによる詩の朗読を聞く認知症の入居者ら(2013年10月29日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】人間の脳は加齢に伴い萎縮していくが、中には他の高齢者よりも脳の量が減らず、おそらくそれが理由で頭の切れが衰えない「スーパーエイジャー」と呼ばれる人々が存在するとの研究論文が4日、発表された。

 米国医師会雑誌(JAMA)に掲載された論文によれば、80歳以上の高齢者の中でもスーパーエイジャーは一般的な高齢者と比べ、大脳皮質が厚かった。

 脳の最も大きな部分を占める大脳皮質は、しわが刻まれた表層部で、前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉の4つの部分に分かれ、思考から発話、音声処理、視覚や味覚などの知覚情報までのすべてをつかさどっている。

 論文の主著者で米ノースウエスタン大学(Northwestern University)の臨床神経心理学の博士課程生であるアマンダ・クック(Amanda Cook)氏は、「スーパーエイジャーの存在は、加齢によって必ずしも認知機能が低下するわけではないことを示唆している」と主張する。

 今回の研究では、記憶力テストで50〜65歳の年齢層と同程度を得点した80歳以上の高齢者をスーパーエイジャーと定義し、調査にはそうした明敏なスーパーエイジャー20人と、同世代の平均的な高齢者12人が参加した。

 18か月に及んだ調査期間中、大半の高齢者同様、スーパーエイジャーにも脳の萎縮はみられたが、平均的な同世代に比べて、萎縮した量は約半分で、萎縮率は平均的な高齢者が2.24%だったのに対し、スーパーエイジャーはわずか1.04%だった。

 ただし今回の研究は、参加者を誕生時から追跡調査したわけではないため、スーパーエイジャーの脳の量の方が最初から多かったのかどうかは不明だ。

 スーパーエイジャーについては世界中で多くの研究が行われている。解剖した脳を調べたところ、一部のスーパーエイジャーの脳内に認知症を患っていた可能性を示すアミロイド斑(プラーク)が大量に沈着していたことが確認されたとする研究結果もあるが、それでも脳の機能は保たれていたことになる。
【翻訳編集】AFPBB News