連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)第1週「お父ちゃんが帰ってくる!」第3回 4月5日(水)放送より。 
脚本:岡田惠和 演出:黒崎博 


3話はこんな話


みね子(有村架純)の父・実(沢村一樹)が出稼ぎからいよいよ帰ってくる日になった。その日、実は赤坂の路地裏にある洋食屋・すずふり亭に心惹かれて中に入ってみる。

実在のモデルがいないからなのか


サクラは満開、全国的に気温は20度を超えた2017年4月5日。
3話の本放送の前も再放送の前も、牧歌的な茨城情報を放送していたNHK。
本放送では「北朝鮮が弾道ミサイルを発射」という不穏な臨時ニュースが入りました。
ロシアの地下鉄テロ事件も気になります。

4月4日放送の2話の視聴率は18.8%。初回より下がってしまいました〈涙〉。
悪くないのに、なんででしょうか。
3話なんて、弟のおねしょで茨城における奥茨城村と水戸との位置関係を紹介するというアイデアなどじつに冴えています。

1話レビューで書いた前作の悪影響の次に考えられるのは、モデルがいないことです。
「あさが来た」「とと姉ちゃん」「べっぴんさん」と実在の人物をモデルにした作品が続き、オリジナルドラマに耐性がなくなってしまったのかもしれません。

将来、何を成すかわからない(取材によると特にどでかいことは成さないらしい)、田舎の平凡な女子高生の話だと食指が動かないとか? 
他局ではじまったシニア層向け昼ドラ「やすらぎの郷」のなかで倉本聰先生が登場人物に、今のテレビ批判を語らせていらっしゃいますが、朝ドラまでオリジナルコンテンツが受けなくなると、その批判もさもありなんという感じです。

でも、高度成長期の日本の様子が「ALWAYS 三丁目の夕日」などでみんな大好きなはず。
「あまちゃん」などで朝ドラを見はじめたアラフィフ、アラフォー世代は、みね子の妹、弟世代でしょうから、
楽しみどころはたくさんあるはず。
3話では、宮本信子と佐々木蔵之介の食堂も出てきて、みんなの大好きな洋食も楽しめそう。アールになった食堂の建物や路地裏にお稲荷さんがあるところなど、美術デザインもいい感じ。
オリジナルの底力を見せつけてほしいです。
これから、これから。

3話で一番注目したところ


みね子の叔父・宗男(峯田和伸)の過去。

次男なので養子に行った(婿に行ったってこと)宗男。嫁はしずちゃん(南海キャンディーズ)。
彼はどうやら、ドラマのムードメーカーで、説明やら名セリフ担当らしい。

「典型的な茨城の男だよ 口数が少ないくせに口が悪い」(祖父〈オレゴンから愛・古谷一行〉のこと)
「人が暮らしているところはみんないいところだよ」(東京を嫌っちゃいけないということ)
「悲しい別れにしちゃダメだ」(お父さんが帰ってきてまだ東京にいくとき笑って見送ってやれということ)
 出てきて、いきなりたくさん台詞をしゃべった宗男が「いっぺえしゃべったら喉かわいちまった」とお茶を飲むところまで考え抜かれている。←脚本を書きたいと思ってる人は見習って!

「なんでいつもそんなに笑ってるの?」とみね子が聞くと、
「なんでだと思う? 馬鹿だからじゃねえぞ。(中略)おれは決めたんだ、笑って生きるってな」とあくまでユーモラスに答える宗男。だがみね子は、「戦争から帰ってきて人が変わった」とお父さんから聞いていた。
宗男の背中には大きな火傷の跡が。終戦から20年くらい、傷は残っているというダブルミーニングか。
←脚本を書きたいと思ってる人は見習って!

でもひとつだけ小姑ツッコミさせて


実が帰ってくる日、お気にいりのブラウスを着てほんのりメイクもして、熱い恋の歌「東京ドドンパ娘」を歌ってるお母さん(木村佳乃)。それで家事やっちゃいかんでしょ。家事してから着替えてー。せめて胸当てのついたエプロンにしてー。
(木俣冬)