アンジェロ役の山田孝之
 - (C)2017 映画「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」製作委員会 (C)LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

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 荒木飛呂彦による人気漫画を実写化する映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』。やはり最も気になる部分には、「ジョジョ」シリーズの代名詞でもある特殊能力「スタンド」をどのようにして作り込んでいくのかということがあるだろう。昨年11月に行われた映画の撮影現場では、その作り方の片鱗がうかがえた。

 この日撮影が行われていたのは、山田孝之演じる殺人鬼アンジェロが取り調べを受けているシーン。刑事と思わしき人物からどのような言葉を掛けられても、アンジェロはただひたすら無言で威圧する。山田は「猟奇殺人をする人の気持ちはわからないですが、とにかく考えることですね。人が歩いたりするのを見て、いろいろな殺し方を頭の中でずっと考えていました」と語っていたが、まさにこのときのアンジェロは人を視線だけで殺せそうな目をしていた。

 セットの取調室は色あせたコンクリート・さびまくった窓枠と、現代日本を舞台にした刑事作品ではなかなか見られないような色合いに。机に置かれたライトは1970年代か1980年代を思わせる風合いだが、部屋の隅のコンセントや登場人物たちの服装には現代日本のエッセンスが入り混じっており、セット自体が“いつかの時代にある日本のどこか”というフィクションならではの世界観を補助するような作りになっていた。

 その取調室で、アンジェロは彼のスタンド能力を発動するという流れになったのだが、その能力の撮影中、カメラのレンズに収まっていたのはアンジェロの斜め上あたりの部屋の壁。そう、何もない壁がひたすら映っている状態だったのだ。その壁の撮影後、CG合成用のグリーンの紙をスタンドが映るであろう箇所に持っていき、再度カメラは回っていく。

 「ジョジョ」のような架空のものが多く登場する作品に関しては、最初からオールグリーンバックで総CG作品にする手段もあり得たはずだ。だが映画『ジョジョ』の現場では撮影スタッフの話によると、作れるものに関してはできるだけCGに頼り切らないようにしているそう。現実世界で作り込まれたセットというリアルと地続きになる土台を作ってこそ、CGでできたスタンドがより映える仕組みになるのだろうか。細かい場所まで作り込まれた背景を念入りに撮影していた三池崇史監督。この背景にスタンドという特殊な存在をいかになじませていくのか、期待は膨らんでいくばかりだった。(編集部・井本早紀)

『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』は8月4日より全国公開