MVPは久保。UAE戦の今野もよかったと語るセルジオ越後氏

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MVPは久保。完全に本田のポジションを奪ったと言っていい。

ロシアW杯アジア最終予選、日本はアウェーのUAE戦、ホームでのタイ戦に連勝。久保は2試合で計2得点3アシスト。いやな流れを断ち切る仕事をして、ハリルホジッチ監督を救った。

やはり、ベルギーリーグでコンスタントに出場し、得点を奪っているだけのことはある。動きにキレがあり、自信があるからプレーの選択もシンプル。前が空いたら積極的にシュートを狙う。シュートもパスも精度が高く、ボールを持ったら何かしてくれるという期待感があった。

また、インタビューの受け答えも冷静、ゴールを決めても派手なパフォーマンスをしないのも好印象。地に足が着いている。このままクラブで好調をキープしてほしいね。

もうひとり名前を挙げるなら、UAE戦の今野もよかった(タイ戦は故障で欠場)。ハリルホジッチ体制では2年ぶりの招集、初先発にもかかわらず、中盤で素晴らしいパフォーマンスを見せた。長谷部離脱の影響をまったく感じさせなかった。さすが歴戦のベテラン。ここぞという場面では体を張って相手を止めるなど、試合の状況を把握して、自分が何をすればいいのかをわかっていた。それでゴールまで決めるのだから頭が下がる。UAE戦は久保とふたりで勝ったようなものだ。

W杯最終予選は結果がすべて。2試合で勝ち点6を得て、得失点差も広げられたのはよかった。

ただ、安心はできない。内容を見れば、2試合ともスコアほどの余裕はなかった。無失点で終わったのが不思議なくらい。何度も決定的なチャンスをつくられていたよね。特に、グループ最下位のタイ相手に何度もミスを繰り返し、苦しい時間帯が長かったことは見過ごせない。そこを改善できなければ、残り3試合、特にライバルのサウジアラビア、オーストラリアとの直接対決は乗り切れない。当然、選手もそれをわかっているはず。試合後の表情やインタビュー内容を見ても、浮かれた様子はなかったね。

6月のイラク戦の前には、オーストラリアとサウジアラビアが潰し合いをする。日本はイラクにもしっかり勝ってアドバンテージを得たいけど、大迫、今野、長谷部らケガ人の回復状況は気になるし、また、ヨーロッパのシーズンが終わるタイミングなので、海外組はモチベーションもコンディションも一度落ちるだろう。

だからこそ、ハリルホジッチ監督には国内組をもっと活用してほしい。Jリーグで好調だった今野が、長谷部の代役としてあれだけの活躍を見せたのだからね。コンディションの悪い本田のプレーを見ればわかるように、もう海外組だからというだけで優先して起用するのはやめるべき。

例えば、タイ戦では今野に代わるボランチに、本職ではない酒井高を起用したものの、あまり機能しなかった。やはり彼はサイドバックのほうがよさを出せる。だったら、普通にJリーグで活躍していて、ボランチとして計算の立つ選手を使ったほうがよかったんじゃないかな。今野に代わって緊急招集した遠藤、今回招集されなかった鹿島の永木でもいい。ロシアW杯本大会はともかく、目先の一試合なら浦和の阿部、川崎の中村といったベテラン勢でも十分にやれるはずだ。いずれにしても、ハリルホジッチ監督には柔軟なメンバー選考、采配を期待したいね。

(構成/渡辺達也)