5日、韓国・朝鮮日報は、ソウルの名門私立大学で、体に障害のある学生に対する大学側の対応をめぐり、学生らの偏見の実態が浮き彫りになったと伝えた。資料写真。

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2017年4月5日、韓国・朝鮮日報は、ソウルの名門私立大学で、体に障害のある学生に対する大学側の対応をめぐり、学生らの偏見の実態が浮き彫りになったと伝えた。

先月2日、障害のため車いすを利用している女性のAさん(20)は、開講初日にある授業の講義室が階段教室であることが分かり、仕方なく教壇の片隅で受講せざるを得なくなってしまった。Aさんは大学側が作成・配布する「障害者のアクセスが難しい講義室リスト」を見て受講申請をしていたが、この講義室はリストから抜け落ちていたという。

Aさんはその後、大学の障害学生支援センターに講義室の変更を要請、学校側はミスを認めて350メートル離れた別の講義室に変更しようとした。しかし、一部の受講生が「(移動)動線を考慮して時間割を組んだので、講義室が遠いと困る」と反対したため、計画は白紙に戻ってしまった。結局、大学側は、Aさんが移動などで聴講できない部分について、担当教授が個別に補習授業を行うとの折衷案を出したという。

しかし数日後、Aさんは学内のネット掲示板で「良心のない迷惑な障害者」という汚名を着せられてしまったことを知る。「1人の障害学生が前もって調べずに受講申請しておきながら、講義室変更を要求するも白紙になった。あの子だけ個別に授業を受けるらしいけど、これはどこに抗議したらいいの?」という投稿により「特別待遇論争」が起きたのだ。

今回の事態をめぐって学内では意見が分かれており、中には「障害者を思いやらない一部の学生の偏見に驚いた」と話す学生もいるという。しかし大半はAさんへの「特別待遇」を不満に感じているようで、担当教授は「学生は単位に敏感だから」と答えている。

一般的に大学では、障害学生の受講の権利を保障するため各種制度を設けているが、学生などの認識は依然として不足しているとの指摘が出ている。韓国社会問題研究院のヒョン・テクス院長は、「障害のせいで『当然の権利』を享受できないことに対して補完や配慮を行うことを『特別待遇』と捉えるのは、過度な個人のエゴ」と指摘、「就職難が深刻になり、学生らが薄情になった」と話した。

この報道に、韓国のネットユーザーからは5000件近くのコメントが集まり、「成績より人格の方が大切。中高で競争ばかりしてるからこんなことになった」「勉強よりまずは人になろう」「こんな(冷たい)やつらに何かが学べるわけがない」と冷たい学生らを非難するコメントが多い一方で、「1人のために講義室を変える必要があるかな?それは自分で何とかすべき。1から10までどうやって合わせろというんだ」「障害学生の有無にかかわらず、1人のために皆が被害に遭う必要はない」と学生らを擁護するコメントもみられる。

その他にも、「だから昔の学校は勉強より人格教育を重視していた。今はその反対。こういう大学生が検事や高位公職に就くから国がこういうことになる」「この時代の真の姿。競争だけで思いやりがない社会。弱者に対する態度がその国のレベルだという。何が大切か教えてくれる大人が必要」「韓国はもう答えの見えない国」と韓国の現状を悲観するコメントも寄せられた。(翻訳・編集/松村)