エアビーアンドビー、ギグ・エコノミーの拡大で「長期滞在」需要が増加

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旅行者と短期滞在用の空き物件をつなぐオンライン・プラットフォームとして知られるエアビーアンドビー(Airbnb)が、物件の転貸(また貸し)市場での事業拡大を検討している。

同社は長期の利用を希望する人向けに2011年から転貸サービスを提供しているが、仕事のために米国内の各都市に一時的に滞在する人々にとっての新たな選択肢という役割を認識しているようだ。同市場についてさらに詳しく調べるため、コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーに調査を委託した。

「賃貸」に不便を感じる人が増加

筆者は現在、30都市に1か月ずつ滞在しながら各地の都市政策に関する記事を執筆している。その中で一番の問題となるのは、便利な場所にある質の高い物件を見つけることだ。滞在する各都市はいずれも米国内で最も家賃が高い地域に当たり、家具付きの物件を探すとなると、さらに長期ではなく1か月のみの賃貸となると、料金はかなり割高になる。

そこで、最も便利なサービスだと考えられるのがエアビーアンドビーだ。取り扱う物件の種類が豊富で、料金も高いものから安いものまでさまざまだ。使い勝手も良く、場所と住居のタイプも明確に示されている。さらに、レビューシステムがあることで透明性が維持され、説明責任の所在も明確になっている(スパムや品質の疑わしさに問題があるコミュニティーサイトのクレイグリストとは大きく異なる点だ)。

筆者が1か月ごとに移動しながらエアビーアンドビーを利用していて分かったことは、同じようなニーズを持つ人は多いということだ。これは、エアビーアンドビーが現在、どのような機能を提供しているかという点からも明らかだ。物件の貸し手であるホストの多くが、週または月単位で滞在する場合の割引プランを選択肢として提示している。

ホスト側の利点として考えられるのは、面倒な契約や強制退去の要求を禁じる厳格な法律に対処することなく、長期にわたって部屋を貸すことができることだろう。

利用者の側からも、エアビーアンドビーは長期滞在に便利だと考えられているようだ。ネット上にはさまざまな意見が投稿されており、理由の利点として挙げられているのは、事前に保証金の支払いを求められないこと、キャンセルや予定変更に柔軟に対応してもらえることなどだ。

こうしたことから、各国のいずれの都市でも滞在期間は平均して、エアビーアンドビーを利用する場合の方がその他の形態で滞在先を確保した場合よりも長くなっており、ホテルとの比較では2倍以上になる都市もある。

拡大するギグ・エコノミーに相応

カリフォルニア州にある別荘を貸し出しているホストの一人によれば、物件を借りたいという人の約20%が、1か月以上の長期滞在を希望するという。このホストは、エアビーアンドビーは米国でも広がりが見られる「ギグ・エコノミー」の中で、インターネットを通じて単発の仕事を継続的に請け負う人たちにとっての「柔軟な住居」モデルになっていると考える。

エアビーアンドビーは既に認識しているようだが、同社が考慮すべき点は、「旅行者」以外にも幅広くさまざまな人が、同社のサービスを利用しているということだ。そして政府当局は規制を導入する前に、これらのサービスに関する実情を把握する必要がある。

利用者の多くは、気ままに過ごすために部屋を借りる旅行者ではない。「長期」に近い滞在先を求める労働者だ。そうした人たちに、ホテルの利用を求めるのは現実的ではない。エアビーアンドビーが転貸市場での事業拡大を推進すれば、こうしたニーズを持つ人々にとっては物件の確保はさらに容易になるはずだ。