園に預けると子どもがギャン泣き…別れ際のママのNG行動4つ

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保育園に子どもを預けるとき、機嫌よく園の玄関で「バイバイ」してくれる子だったら、どんなに気が楽でしょう。

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でも、最初からバイバイできる子ばかりではありません。毎朝、別れ際にギャン泣きされてしまうと親としてはとてもつらいですよね。

こうなると…

「私が仕事を始めたことで、子どもに悲しい思いをさせているのではないかしら?」

「子どもを犠牲にしてまで、働く意味があるのかしら?」

「まだ預けるには早すぎたかしら?」

などと後悔してしまう瞬間がありますよね。

でも、様々な事情があって園にお願いする選択をしたのです。罪悪感を持つ気持ちもわかりますが「職場復帰をする!だから園にお願いする!」と決めたならば、いつまでも引きずっていてはなりませんよ。

そこで、今日は『1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ』の著者の立石美津子が、子どもとの上手なお別れ方法についてお伝えします。

なぜ、子どもは泣くのか?

子どもの気質や性格はまちまちです。新しい場所にすぐに馴染む子もいますが、4月末になっても保育園に行くのを嫌がる子もいます。

家には珍しい玩具もあり、園庭もあり、同じ年頃のお友達やお兄さん、お姉さんももたくさんいるのに、どうして子どもはお別れの時に泣くのでしょうか。

泣く理由はさまざまです。

1.見知らぬ場所だから

大人だって、知らない場所に行くのは緊張感がありませんか。ずっと家にいた子どもだったらなおさらです。

しかも、1時間、2時間の短時間ではなく、朝から夕方までそこにいることになります。

トイレだって家の仕様とは違います。昼寝の布団の感触も違います。慣れないうちはぐずるものです。

2.知らない人だから

子どもの扱いに慣れている育児のプロである保育士といっても見知らぬ他人です。それに園には3〜5歳の大きい子どもも大勢います。一人っ子だった場合、大きい子に玩具を取られて泣くこともあります。

「この人たちにお世話してもらってね」「このお友達と遊ぶのよ」と急に言われても馴染めないのです。

時間がたてば、見知らぬ人たちも“よく知っている人たち”に変わり、喜んで遊べるようになりますよ。

3.味が違うから

初めての給食。これまでの“家庭の味”とは見た目も味付けも違います。しかも「残さず食べよう」と指導されます。「あれ嫌い、これ食べる」とわがままが言えない雰囲気です。

家ではママが食べさせてくれていても、自分で食べるように指導されたりします。お家のように王様ではいられないのです。

4.思い通りにならないから

家では自由に好きな玩具で遊べていたのに、大勢の子どもがいると取り合いになったり、譲らなくてはならない場面も起こります。家のようにはいかないので、ちょっと窮屈だったりします。

でも、“自分の思い通りにならないこともある”ことを体験し、お友達との交渉を通して社会性やコミュニケーション能力も付いていきます。

NGな“お別れ”の仕方

「お母さんはいなくなってしまったけれども、夕方には必ず迎えに来てくれる」という安心感を持っている子はあまり泣きません。そこに母親がいなくても、自分の心の中に“母親が内在化”しているからです。

ちなみに幼稚園は3歳を迎えている子が入園できます。この年齢になると、ほとんどの子が母の姿がそこになくても大丈夫になります。けれども保育園は3歳前から始まります。そうなると、“内なる母”がまだ十分確立していない子もいます。

ですから、3歳以下の子を保育園に預けるときに「ママは永遠に迎えに来ないかもしれない」なんて不安感を持たせてしまうと、一日中「心ここにあらず」の状態になりずっと泣いています。

こんな風にならないために、次のような、母親の内在化を阻害してしまう「NGなお別れの仕方」だけは止めてくださいね。

×説明をしない

習慣なのかもしれませんが、保育士は子どもを預かるとき「お預かりします」と言います。

でも、その言葉通り、ママが何も言わずにそれこそ荷物のように、ポンと預けてしまうと子どもは納得しないでぐずります。

「ママはこれからお仕事に行くのよ。●●ちゃんは夕方までここで楽しく遊んでいてね。●時には迎えにくるからね」ときちんと説明しましょう。

×子どもが他の子どもや玩具に気をとられている隙に、逃げるように去る

昆虫のように服にしがみついて泣かれて、保育士から無理矢理引き剝がされて別れるより、子どもが玩具やお友達に気をとられている隙に姿を消したほうが、ママの気持ちとしてはストレスがありませんよね。

でも、ちょっと子どもの立場に立ってみましょう。振り返ってみたらママがいなかったら相当、ショックを受けます。ですから、子どもの目をしっかり見てお別れの挨拶をしましょう。たとえ泣いても、頭ではちゃんと理解していますよ。

×泣いていることを叱る

お別れが悲しくて泣いているのに「いつまで泣いているの!弱虫ね!」とか「甘えてばかりいてはダメ!」「お友達は誰も泣いていないでしょ。あなただけいつまでも泣いていておかしいわよ!」などと叱ってはなりません。だって悲しいのですから。

こんなときは叱るのではなく、「ああ、悲しいね、泣きたいね。いくらでも泣いていいんだよ」と子どもの気持ちを代弁してあげましょう。

大人だって泣きたいとき、怒りたいとき感情に蓋をすると苦しいですよね。子どもも泣きたいだけ泣くことができたら、その後気持ちの整理ができてケロッとするものです。

×いつまでも立ち去らない

子どもの泣き声が気になってしまい、後ろ髪を引かれママがいつまでもその場から立ち去らずグズグスしていると、子どもも「もっと泣けば一緒に連れて帰ってくれるかもしれない」「仕事を休んでくれるかもしれない。さらに辞めてくれるかもしれない」と勘違いしてしまうかもしれません。

それにママの姿が見えるから泣いているのです。1分くらいで立ち去りましょうね。

私は保育園で仕事をしていましたが、ママが去ったあとはずっと泣いていることはありません。数分でたいてい泣き止むものです。また、泣く時間も日を追うごとに短くなっていきますよ。

保育士から「お母さんがいつまでもそこにいるから泣いているんです!さっさと仕事に行ってください!」などと氷のような言葉で親が叱られてしまうこともありますが、これは本当のことです。

でも、こんなきつい言い方はしないで「お母さんがいなくなったら諦めてケロッとしていますよ」くらいの柔らかな言葉にはしてもらいたいですけれど…。

まとめ

人見知りする子、しない子など子どもはそれぞれ気質や性格が異なります。

その中で知らない場所、知らない人にいきなり預けられても笑って喜んでいる子どももいますが、そうでもない子もたくさんいます。“泣くのは当たり前”と思っていましょう。あなたの子どもが弱虫なのではありませんよ。

それから土日の休みを挟んだ週末明けの月曜日、5月の連休明け、お盆休み明けなどは結構泣いている子も多いです。家にいた時間が長いので、これも自然なことです、

5月くらいになってようやく泣くのが収まっても、また、9月の夏休み明けは泣くかもしれません。

それだけ「家がとても居心地のよい楽しい場所」「休みの間の家族団欒が楽しかった」のでしょう。

そんなオアシスのような家庭を作ることができている自分を褒めると同時に、「子どもは長期休暇のあとは泣くもの」と思っていると気が楽になりませんか。