時事通信の中国総局長、ニューヨーク総局長を歴任した服部健司・時事総合研究所社長は、都内で開かれた新聞通信調査会で「トランプ政権下の米中関係」をテーマに講演。トランプ米大統領と中国は「似た者同士」と指摘した。写真は講演する服部氏。

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2017年3月29日、時事通信の中国総局長、ニューヨーク総局長を歴任した服部健司・時事総合研究所社長は、都内で開かれた新聞通信調査会で「トランプ政権下の米中関係」をテーマに講演した。トランプ米大統領と中国は「似た者同士である」と指摘、その理由について次の4点を挙げた。

(1)スローガンが同じ…「米国を再び偉大にする」(トランプ氏)、「中華民族の偉大な復興」(中国)。
(2)どちらも「被害者意識」がある…「グローバル化や国際機関の犠牲者」(トランプ氏)、「アヘン戦争以来の失われた年月」(中国)。
(3)理念軽視、損得勘定、取引上手。
(4)人に愛されたい、尊敬されたい気持ちが強い。

服部氏は6日からの米中首脳会談などを踏まえた短期的注目点について、「通商摩擦では中国が実質的に譲歩する見通し。北朝鮮問題は、米側で中国に対する不満が強いものの、大きな米中協力のきっかけになる可能性がある」と指摘した。

また「国際秩序とグローバルリーダーシップ」について、米国は「自国第一主義、グローバリズム敵視政策」により内向き傾向に転換しつつあると懸念した。ただ中国に覇権を譲り渡すつもりはなく、中国主導の国際秩序は阻止したい思惑があると分析した。

一方、中国はグローバリズムの最大の受益者だが、同時に、既存秩序に発展を阻害されているとの意識が強い。国際責務を負いたくないが、より有利な秩序・体制へ修正したいというのが本音で、東アジア・西太平洋では米国排除を狙っているという。

服部氏によると、米中協力のキーマンはジャレット・クシュナー氏(トランプ女婿)で、今回の首脳会談も同氏が強く働きかけて実現させたという。(八牧浩行)