米アップルが今年(2017年)に市場投入するiPhoneの発売10周年記念モデルは、OLED(有機EL)ディスプレーなどを採用することから、価格が1000ドルを超えるとの噂が流れている。

 しかしスイスUBSは、このほど出した調査ノートで、そうした噂とは異なる見解を示している。CNBCやBGR、アップルインサイダーなどの米メディアが伝えている。

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新モデルの予想価格は850〜900ドル

 これらの記事によると、通称「iPhone 8」と呼ばれる、iPhoneのOLEDディスプレーモデルの価格は、アップルの競合である韓国サムスン電子の最新旗艦モデルと、大きくかけ離れないように設定される見通し。

 iPhoneの2017年モデルについては、液晶ディスプレーを搭載する2つのモデルと、OLEDディスプレーを搭載する1つのモデルが用意されるとの観測が出ている。

 このうち後者のOLEDディスプレーモデルは、価格が1000ドルを超えるとの噂が流れている。

 UBSによると、このOLEDディスプレーモデルの64ギガバイト版の価格は、現行のiPhone 7 Plusの廉価モデルよりも製造原価が70〜90ドル高くなる見通し。これにより導き出される小売価格は850〜900ドルだという。

 現行のiPhone 7 Plusの廉価モデル(32ギガバイト)の価格は769ドル。850ドルあるいは900ドルという新モデルの価格は、大幅上昇とはならず、もし、最新技術がふんだんに搭載されるのであれば、消費者は受け入れる。

 一方で、この価格帯は、iPhoneの平均販売価格の上昇につながり、アップルの業績向上に寄与すると、UBSは分析している。

競合サムスンの最新モデルは720ドルから

 iPhoneの新モデルが大幅値上げされない根拠の1つとして、UBSはライバルの存在も例に挙げている。

 韓国サムスン電子は先ごろ、スマートフォンの最新旗艦モデル「Galaxy S8」シリーズを発表したが、その価格は720〜850ドル。これについてUBSは、アップルが自社製品の価格を、直接競合する製品よりも著しく高くすることはあまりない、としている。

 Galaxy S8シリーズのディスプレーサイズは、5.8インチと6.2インチだが、UBSの予測によると、iPhoneのOLEDディスプレーモデルは、これらよりも小さい5.2インチ。

 iPhoneの新モデルには、サムスン製品に比べこうした不利な点があることから、アップルは価格設定に慎重になるはずだと、UBSは報告している。

ライバル機にない新機能搭載か

 一方でこのiPhoneの次期モデルには、3Dカメラや、ディスプレーに組み込まれる指紋センサー、より高品質の顔認証システムなど、サムスンの最新モデルにはない機能が搭載される見通しという。

 いずれにしても、アップルはOLEDディスプレーを採用することで、新たなデザインのiPhoneを市場投入することができ、販売を強化できる可能性があると、指摘されている。

 同社が最後にiPhoneのデザインを大幅刷新したのは、2014年に発売した「iPhone 6」。アップルはその翌年に「同6s」を、昨年は「同7」を発売したが、本体の基本デザインはいずれも同じ。こうした同じデザインの繰り返しが、世界最大のスマートフォン市場である中国で、iPhoneの販売減速をもたらしたと、指摘されている。

筆者:小久保 重信