深セン書城。かすむほど遠くまで書棚が並んでいるが、この写真の風景は書店全体の2割も満たない

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「深セン書城中心城」は、東京最大の書店池袋ジュンク堂のさらに6倍のサイズを誇る世界最大の書店である。大学も少ない、知識階級のいない大都市に誕生した巨大書店。そこで扱われるあらゆる電子機器のマニュアルやVRブースなどは、世界の工場としての深センと、その次のステージを象徴している。(チームラボMake部 高須正和)

文化不毛の街に
世界最大の書店が

 深センの中心部福田区に、「深セン書城中心城」という巨大な書店がある。営業床面積は4万2000平方メートル。坪で表すと1万2705坪。書店の他に飲食店なども入っている複合ビルだが、ビルの名前の通り書店が多くのスペースを占めている。

 この総面積は東京の大型書店10選として挙げられている池袋のジュンク堂や(2000坪)、八重洲ブックセンター(1800坪)、さらには丸善丸の内、紀伊國屋新宿本店と南口店、リブロ池袋と三省堂神保町と合わせたより大きい、書店というより本屋街と呼びたくなるサイズだ。

 中国を除く世界最大の書店がカナダのトロントにあるbookstoreで5946平方メートル(6万4000平方フィート)なので、その4倍のサイズを誇るモンスター書店である。単一の書店としては世界最大のサイズだという。

 第1回のレポート「人類史上最速で成長する都市『深セン』で何が起きているのか」で触れたとおり、圧倒的な労働集約型産業でわずか30年あまりで巨大都市になった深センの市内に、街角の本屋は少ない。21世紀に向けて100の大学に重点投資するという中国教育部の計画「211工程」に含まれる大学は、北京には24校もあるが深センには1校もない。

 北京のような中国の古い都市には、第3回のレポートで紹介した電気街の賽格広場ビルのように、一つのビルに複数の書店が入居する巨大な書店ビルがあるが、古くから知識階級が集まっていた北京や上海と違い、労働者の街だった深センにはそういう書店ビルはなく、後述する技術書を扱う本屋が電気街のそばにあった話を聞くぐらいだ。

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