新潟で“アートと山菜”をテーマに春の里山を楽しむ「大地の芸術祭の里」

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長い冬が続く雪国・新潟の越後妻有(えちごつまり)では、春の訪れとともに里山の自然をいかした芸術祭が開催される。ゴールデンウィークは里の人たちと一緒に春を喜びながら、ここにしかない“アートと山菜”の魅力を満喫してみては?

◆世界最大級の国際芸術祭が行われるアートの里山で「もう一度見たい名作展」

2017年4月29日(土・祝)から5月7日(日)まで、越後妻有(新潟県十日町市・津南町)では、春を祝うイベント「大地の芸術祭の里 越後妻有2017春」を開催する。越後妻有までは東京から上越新幹線の越後湯沢経由で1時間50分と、思いのほか行きやすい。

会場となる越後妻有には6つのエリアがあり、廃校になった小学校を再生した美術館や棚田を使ったアートなどが点在。ゆったりした時間の中で、各エリアのさまざまな展示を見たり、イベントに参加することができる。

越後妻有は里山の暮らしが今も豊かに残る地域ながら、2000年から3年に一度「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」という世界最大級の国際芸術祭を開催している場所。これまでに700組以上の作家が参加し、今では200点近い作品がこの地で常設展示されているとか。

そんな作品の中から、今ではもう展示されていないけれど「もう一度見たい!」と要望が多かった作品を集めた企画展が、4月29日(土・祝)から7月2日(日)まで越後妻有里山現代美術館「キナーレ」で開催。作品は以前とは場所を変えて再現される。



アルフレド&イザベル・アキリザン「ドリーム・ブランケット・プロジェクト」(2006年)
photo by 池田晶紀

写真の作品は、数々の国際展でも活躍するフィリピン出身のアーティスト、アルフレド&イザベル・アキリザンの「ドリーム・ブランケット・プロジェクト」。

作者のアキリザン夫妻は集落の家を訪問して、そこに住む人々と話してまわったという。提供してもらい、すき間なく積み重ねられた毛布からは、人々の語る夢が聞こえるよう。

◆次回2018年の芸術祭から新作を先行公開。木造小学校を改造した会場は宿泊もOK

今回は2018年に7回目の開催となる芸術祭から、新作を先行公開する企画展も開催される。

作品は、地上からも地下からも見られる金沢21世紀美術館の「スイミング・プール」などで知られる、現代美術家のレアンドロ・エルリッヒの「Lost Garden」。窓からのぞくと、思いがけない場所に自分の姿が見えて、確かめようと自然に体が動いてしまうという不思議なアートになっている。視覚のトリックを使った面白さを体感して。

会場は、木造校舎を改築した三省(さんしょう)ハウスの中にあるギャラリーで、この三省ハウスには宿泊もできるそう。このほかにもアーティストの滞在もできるアート作品「オーストラリア・ハウス」など、ユニークな作品兼宿泊施設があるので、興味があればHPから申し込みを。



Lost Garden (2009)variable dimensions metal structure, bricks, windows, mirrors, fluorescent lights and artificial plants MOLAA, Long Beach, California, US (C) Jon Endow, courtesy of Leandro Erlich Studio

◆新緑の秘境を歩く春の山菜トレッキング!山菜ビュッフェランチも最高

里山の緑を満喫したいなら、アウトドアシューズブランド「KEEN」のトレッキングシューズを履いて、伝統的な猟師であるマタギの里・秋山郷を歩くイベントもおすすめ。春の息吹を感じられる自然豊かなコースを、ビュッフェランチを楽しみながら満喫できる。

4月30日(日)に開催される「春の山菜トレッキング」は、体験料や食事代などで一人3500円。要予約なので、気になったらHPからすぐに予約を。

「シューズは無料レンタル可能なので、手ぶらでも参加できます。初心者の方でも大丈夫ですよ。最後の秘境と言われ、マタギ文化の残る秘境の原風景は圧巻ですし、ふきのとうやこごみの天ぷらや煮物など、大自然の中で味わう山菜ビュッフェは最高です!」と広報担当の山口さん。



ずらりと並んだ色とりどりの山菜ビュッフェランチ!(昨年の様子)photo by Osamu Nakamura

◆古民家や桜の下で満喫する山菜料理も。多彩な体験ができる唯一の里山へ出かけよう

また、山菜をメインに楽しみたいときは、古民家を再生した施設「うぶすなの家」で4月29日(土・祝)に行われる「春の山菜御膳と願入を楽しむ会」(料金2500円・30食限定)へ。ふきのとう、ぜんまい、うどなどの山菜採りをした後で、地元のお母さんたちの手料理がいただけるそう。予約もできるけれど、当日定員に達していなければ飛び込みでも大丈夫だという。

ほかにも、5月3日(木・祝)には自分で採った山菜を調理して桜の下で食べる「さくらプロジェクトお花見」(2000円)、5月4日(金)、5日(金・祝)には山菜を販売する「春の山菜まつり」など、山菜のイベントも盛りだくさん。

世界的なアートにふれたり、緑の中をトレッキングしたり、春の山菜を堪能したり。自然の中でこれほど多彩な体験ができる里山は、ほかにないかも。長いゴールデンウィークのお休みに、ここなら1泊の気軽なプチトリップでいろんなことが楽しめそう。



うぶすなの家「山菜御膳」2500円(入館料込み)・30食限定 (イメージ)



TEL.025-761-7767「大地の芸術祭の里」総合案内所
新潟県十日町市本町6 越後妻有里山現代美術館「キナーレ」ほか
アクセス:
電車/東京駅から上越新幹線「越後湯沢駅」〜北越急行ほくほく線「十日町駅」(約1時間50分)
高速バス/「池袋駅」東口⇔六日町I.C. (約3時間、1日16往復、六日町I.C. 降車場から六日町駅まで徒歩20〜30分、路線バス約8分)

開催期間:2017年4月29日(土・祝)〜5月7日(日)
■「もう一度見たい名作展」
会場:越後妻有里山現代美術館「キナーレ」
開催日時:4月29日(土・祝)〜7月2日(日)10:00〜17:00
入館料:一般800円(常設展含む) ※水曜休み
■大地の芸術祭2018新作先行公開/レアンドロ・エルリッヒ「Lost Garden」
会場:三省ハウスギャラリー
開催日時:4月29日(土・祝)〜5/7(日)10:00〜16:00(最終入館15:30)
料金:一般500円
■KEENと歩くマタギの里・秋山郷 春の山菜トレッキング!
会場:秋山郷周辺
開催日時:4月30日(日)10:00〜15:15
料金:一般3500円、中学生以下2000円(体験料、食事代、保険代)
申し込み方法:大地の芸術祭の里HPより要予約
■「うぶすなの家 春の山菜御膳と願入を楽しむ会」
会場:うぶすなの家
開催日時:4月29日(土・祝)11:00〜14:00
料金:一律2500円(30食限定、入館料・昼食代込)
申し込み方法:大地の芸術祭の里HPより予約・30名限定 
※定員に達していない場合、当日参加もOK

※画像は宿泊施設のひとつ「秋山郷結東温泉 かたくりの宿」

NAOKO YOSHIDA (はちどり)



今年のゴールデンウィークは最大9日間、この長期休暇をどんな風に過ごしますか? 

読者アンケートからわかったのは、今年は休暇を賢く分割。帰ふらりと町を歩き、プチ旅を楽しみ、おうちでリラックスタイムも楽しむ、組み合わせ技で「気ままな休日」を過ごす人が多数。そこで編集部は、「町」と「旅」をテーマに総力取材。美術展、花やアウトドアのイベント、温泉、グルメなどGWをちょっと素敵にする体験をご提案!