LTEで30Mbpsオーバー!モバイル通信環境を整えて働いちゃダメなバリ島の正月を過ごす:旅人目線のデジタルレポ 中山智

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1年365日のうち正月がいちばん好きな旅人ITライター中山です。皆さんは1年のうち、何回正月を楽しんでますか? 正月は年に1回なんて固定観念にとらわれていてはダメです。日本のいわゆる「元日」以外にも、東アジア圏では「春節」いわゆる旧正月のほうが一般的ですし、タイの水掛祭りで有名な「ソンクラーン」も実は旧正月のお祝い。世界各国それぞれの文化として暦があって、それぞれオリジナルの「正月」があるのです。

海外に行けば大好きな正月気分を何回でも味わえるというわけで、インドネシアのバリ島に来て、現地の正月「ニュピ」を体験していました。

●バリ島のモバイル通信事情


お正月いえども、常にネットにつながっていて日本とのやりとりは欠かせません。こちらは正月気分でも、日本で待っている編集者たちはいたって普通の平日なので、当然のようにメールやメッセンジャーで原稿の催促などしてきます。

インドネシア・バリ島のゲートウェイは、ングラ・ライ国際空港。4年前に新しい国際線ターミナルが開業したばかりなので、比較的新しい近代的な建物です。空港内には無料のWi-Fiサービスもあるので、飛行機を降りたあとすぐにインターネットへ接続できます。

▲ングラ・ライ国際空港のWi-Fiログイン画面。ネットワーク名は「@NgurahRaiAirport」

現地のプリペイドSIMは、税関を抜けたところにTelkomselのカウンターがありここで購入可能。データのみや音声通話対応の2種類があり、それぞれ2種類のデータプランが用意されています。ただし時期によってプランや価格は結構変わっているようで、今回は音声通話対応で12GBのプランを購入。価格は45万ルピア(約3800円)でした。

▲空港のTelkomselカウンターは小さいので、うっかり通り過ぎてしまわないように

▲カンターに提示されていたプラン

支払いはクレジットカードが利用できず現金のみ。税関を抜けたところには両替所やATMがあるので、Telkomselのカウンターへ行く前にあらかじめ現金を用意しておきましょう。APNの設定は下記のとおり。iPhone 7 Plusは自動的に設定が反映されました。

APN:internet

ユーザー名:wap(もしくは空白)

パスワード:wap123(もしくは空白)

空港で販売しているSIMはLTE(4G)対応ですが、表示がなぜかLTEになりません。実は1年前にも同じ場所で購入したものの帰国するまでLTEにならず3Gのままだったので、カウンターの店員に相談してみると、再起動したりフライトモードをオン・オフにしたりいろいろとテスト。最終的にキャッチする電波を一度2Gだけにして、再度LTEに切り替えたらキャッチできました。もし空港で購入して同じ症状の場合は試してみましょう。年々LTEのエリアは広がっているようで、クタやデンパサール、ウブドなどバリ島内の大きな街ならLTE圏内になっているようです。

▲街中では、いたるところでSIM屋を見つけられる

▲各キャリアのSIMを取り扱っており、プランも豊富

もし空港でSIMを買いそびれてしまっても大丈夫。街にはSIM屋がいたるところにあるので、気軽に購入できます。SIMの価格は店がそれぞれ好きに設定できるので、店によってまちまち。実は空港で買うのは結構割高で、街中のSIM屋のほうが1GBや3GBなどのプランもあるのでかなりおトクです。

▲各キャリアのデータプランと価格一覧

もう1枚、別のキャリア「XL」のSIMを購入しましたが、こちらは通話対応の2GBデータ付きで5万5000ルピア(462円)でした。たいていの宿にはWi-Fiサービスがありますし、無料でWi-Fiサービスを提供しているカフェやレストランも多いので、少量のパケットで十分という人は、あわてて空港で購入しなくても大丈夫かもしれません。

XLのAPN設定は下記のとおり。やはりiPhone 7 Plusは自動設定でした。

APN:internet

ユーザー名:空白

パスワード:空白

Telkomsel、XLともに日中は下り10Mbps前後、早朝など空いている時間なら20Mbps前後を計測していたので、速度は十分。バリ島でも光回線が敷設し始めていますが、まだまだADSLを使っている宿やカフェも多く、モバイル通信のほうが速いというケースも多いです。

▲Telkomselの速度は上り下りとも20Mbps前後を計測

▲XLは下りで30Mbpsオーバーと速い

またTelkomsel、XLともに公式アプリが用意されており、インストールすれば残りのデータ通信量などが確認できる......のですが、Telkomselの場合データ通信の種類によっていろいろと別れているようで、ぱっと見であとどれくらい使えるのかわかりません。OSの「設定アプリ」などでデータ通信をどれくらいしたか確認しておきましょう。

▲Telkomselの公式アプリ。「Quota」がインドネシア語で「残り」なのだが、なぜ52.4GBもあるのか不明

▲こちらはXLの公式アプリ。データ通信の残量がわかりやすい。

▲XLのプランは、Facebookでの通信が無料になっていたので、Facebookのヘビーユーザーにピッタリ

●大晦日はオゴオゴ見物&正月は仕事禁止!


モバイル通信の環境が整ったら、あとはバリ島の正月「ニュピ」を堪能です。まずはニュピの前日の夜、大晦日にあたる日から。この日のためにバリ島内の各村は「オゴオゴ」という大きな山車を作り街中を神輿のようい担いで練り歩きます。オゴオゴは精霊や悪魔をモチーフに作られており、ぱっと見はおどろおどろしい形をしています。というのも、ニュピの前日は悪霊が地上に這い出してくるので、この悪霊を追い払うのですが、その乗り移り先がオゴオゴなんだそうです。

▲悪霊がモチーフということもあり結構怖いフォルム

▲電線は竹竿で上に押しやってオゴオゴを通します

宗教的な儀式ですが、観光客が見物するのは問題なし。筆者が泊ったウブドのような大きな街だと、各村のオゴオゴが広場に集まって、パレードだけでなくコンテストまで開催されます。

▲担ぎ手は大人だけでなく子供も多く、街中を練り歩きます

▲電飾でピカピカに光る派手なオゴオゴも

夜が明けるとニュピ。この日は外出、労働、灯火の使用、殺生などが一切禁止。食事も前日のうちに作っておき、それを食べるのが基本です。日本のおせちみたいですね。そして宗教的には神に祈って静かに過ごす日とされています。

これは島中で徹底されていて、街中の店舗はすべて休業。ホテルなども最低限のサービスのみで、ホテルからの外出も禁止されます。実は空港も閉鎖されて、飛行機もこの日は離発着がありません。またオゴオゴのパレードがある関係で、ニュピの前日からあちこちで交通規制をしているので、前日も観光などにあてるのは向いていません。初めてのバリ島訪問でしたら、ニュピ前後は避けたほうがいいかも。バリ島の暦なので毎年日付が変わりますが、3月になることが多いです。

▲郷に入っては郷に従えで、ニュピは仕事なんかせずにのんびり読書がピッタリ

バイクやクルマの音が聞こえず、鳥や虫、風の音しか聞こえないので乙なものです。スマホやタブレットなどはさすがに制限されていないので、観光客としては静かに本でも読んで過ごすしかありません。だって働いてはいけないのですから。これこそ正月ですよね。LTEの高速通信でモバイル環境はバッチリですが、働いてはいけないので原稿の催促がきても書けませんよね。みなさんも仕事に疲れたら、バリ島の「働いてはいけない正月」でリラックスしてみてはいかがですか?