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米Appleがプロフェッショナル向けデスクトップ「Mac Pro」の次世代製品を開発している。モジュラーシステムで拡張性に優れたデザインになる。プロ向けの外付けディスプレイも開発中だ。ただし、次世代Mac Proの登場は来年以降になる。そこで継続的に次世代Mac Proにつなげるために、4月4日(米国時間)に現世代のMac Proのアップデートを行った。また、プロユーザーも視野にiMacの新製品を年内に投入する。

Appleが4日にMac Proのアップデートを行ったタイミングで、Appleのエグゼクティブが同社のプロ向けデスクトップMacの取り組みを説明した記事が、Daring Fireball、Mashable、TechCrunch、Axios、BuzzFeedなどで公開された。正式発表前の開発中の製品について、Appleがメディアに語るのは極めて珍しい。だが、2013年からMac Proがアップデートされず、またMacBook Proも昨年10月の発表まで長く刷新されなかったことから、Appleがプロ向けMacを以前ほど重視しなくなったと心配する声が高まっている。そうしたユーザーの間に広がる不安を払拭し、引き続きプロユーザーが計画的にMacに投資できるように、これまでの慣習を超えて情報提供を行った。

米メディアとの会合で、Phil Schiller氏(ワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデント)は現在のMac Proがプロユーザーのニーズを十分に満たせていないことを認めている。Mac Proはサーマルコアと呼ばれるシリンダー型の筐体全体が冷却機構を兼ね備えたデザインを特長とし、Thunderbolt 2やUSB 3といった高速I/Oを活用して拡張性に対応している。楽々と持ち運べるようなコンパクトサイズと静かな動作は、プロ向けデスクトップの常識を覆すデザインである。しかしながら、コンパクトさと引き換えに本体のアップグレード可能性が乏しい設計はプロユーザーにとって実践的なデザインにはならなかった。GPUをデュアル構成にすることでグラフィックス性能を引き出しているが、プロユーザーはMacをコンパクトにする解決策よりも、絶えず進歩する最新のGPUアーキテクチャを採用できる柔軟性を求めた。そうしたニーズに応えられなかった反省から、モジュラー・デザインのMac Proの開発に取り組み始めた。

次世代Mac Proは、継続的なアップデートとアップグレードを求めるユーザーを長期的にサポートできる製品を目指している。今日のMac Proが示すポストPC世代の設計も全廃というわけではないだろう。「完全な見直し(completely rethought)」であり、完成には時間がかかる。そのため年内には登場しない。

プロユーザーの継続的なサポートには「Final Cut Pro」や「Logic Pro」といったソフトウエアも含まれる。会合では、Appleのプロ向けの定義も示された。PCの性能が向上し、普及価格帯のPCでも映像編集や音楽制作などをこなせるようになった。インターネット社会になって作品を公表できる場が増え、誰でもクリエイターになれるチャンスが広がっている。プロとアマチュアの区分けが、どんどん曖昧になっている。

Appleのデータでは、音楽作成、ビデオ編集、グラフィックスデザイン、ソフトウエア開発といったプロ向けアプリケーションをMacユーザーの15%が日常的に使用している。さらに15%のMacユーザーがより少ない頻度で、しかし一週間に1度以上はプロ向けソフトを使っている。これらMacユーザーの30%がAppleの考えるプロ市場である。

全てのプロユーザーがMac Proやデスクトップ機種を必要としているわけではない。Mac販売におけるノートブックとデスクトップの比率は8:2であり、プロユーザーの間で最も用いられているMacもノートブックである。そして2番目はiMac、Mac Proは3番目だ。iMacというと、一般向けのオールインワンMacというイメージを持たれているが、今日の5K iMacは多くのプロユーザーの必要性を満たしている。年内に投入するiMacの新製品は、一般向けとしてだけではなく、iMacにとって軽視できない存在になったプロユーザーのサポートという狙いを含むリリースになる。

(Yoichi Yamashita)