(写真提供=SPORTS KOREA)

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「死ぬまで酒を飲んでみよう」

そう話し合った40代の男女2人が11日間で焼酎72本を飲み、1人が死亡したというニュースが韓国で報じられた。

江原道(カンウォンド)の旌善(チョンソン)郡警察署が3月30日に明かしたところによると、同29日、とある旅館で44歳の女性の遺体が発見されたという。警察が出動した当時、部屋のなかには焼酎360mlビンが32本、1.8lビンが8本もあったらしい。

焼酎“世界最大の消費国”の今

2人はアルコール中毒治療センターで出会い、3月19日に旅館を訪れた。

そして、ほとんど外出することもなく、ただひたすら酒を飲み続けたという。11日間で、焼酎72本を開けたというのだから驚きだ。

詳しい死因は調査中とのことだが、生き残った男性は「死ぬほど飲もう」と語り合ったと供述している。

今回起きたニュースは極端な例だが、韓国人のお酒好きはよく知られているところだろう。特に焼酎に関しては、“世界最大の消費国”(『朝鮮日報』)とも報じられている。

それだけに韓国の酒類メーカーは、焼酎の販売に力を入れている。韓国焼酎の広告モデルに美女スターばかりが起用されていることからも、力の入れ具合が伝わってくるだろう。

とはいえ、最近は焼酎の消費量が減少傾向だという。

韓国農林畜産食品部と韓国農水産流通公社の統計によると、1人あたりの年間消費量は、2013年基準で焼酎62.5本(1本360ml)。2012年の66.3本、2011年の65.1本に比べると、消費量が減っていることがわかるだろう。

ロッテ酒類はアイドルと飲んでいる気分を味わえる「一人酒セット」を販売するなど、最近の若者たちをターゲットにした商品を販売しているが、専門家は少子高齢化で酒を楽しむ20〜60歳の人口が減ったことが第一の原因と指摘する。

実際に韓国の少子高齢化は深刻で、イギリスのオクスフォード人口問題研究所などは「地球上で真っ先に消え去る国は韓国」と指摘するほど。その影響がお酒にも表れているわけだ。

健康志向も影響か

また、韓国の健康志向が関係しているとの見方もある。

韓国の食品医薬品安全処が2016年上半期の酒類の消費・摂取実態調査を行ったのだが、それによると、「度数の低いお酒を好む」と回答した人が2013年53.7%から、2016年57.0%に増えたという。

また、「食事と一緒に酒を飲む」という人も20.2%から41.0%と倍以上に増加しているらしい。

しかし、お酒を断れない傾向は変わっていないようだ。

同じ調査結果を見ると、「飲みたくないときは断る」という人は、55.3%から55.7%とほとんど変わっていない。それだけに、昨年から施行された接待を厳しく禁止する「金英蘭法」は、サラリーマンたちに高い支持を得ているとか。

ちなみに、韓国にさまざまなお酒の種類があることは間違いないが、一時ネット上で話題になった「トンスル」は、当時の韓国メディアが「そのような酒を飲む人はいない」と断言しているとおりだと思う。

韓国の知人たちも聞いたことがないと口を揃える。ただ、トンスルが本当に存在したことだけは確かなようだ。

(関連記事:韓国の奇怪な酒文化!! “トンスル”は本当に存在するのか

食文化に続いて、酒文化にも変化が訪れている韓国。そんななかで起きた「死ぬほど酒を飲んでみよう」と言いながら本当に亡くなってしまったという今回の事件には、なんともいえない哀愁が漂っている。

(文=慎 武宏)