メガホンを取ったナチョ・ビガロンド監督

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 アン・ハサウェイ主演の異色のモンスター映画『コロッサル(原題) / Colossal』についてナチョ・ビガロンド監督が、3月28日(現地時間)ニューヨークのウィットビー・ホテルで語った。

 仕事をクビになり、アルコール依存症のせいで同棲中の恋人にも捨てられ、地元に戻ってきたグロリア(アン)は、友人でバーの経営者オスカー(ジェイソン・サダイキス)に誘われバーで働くことになる。ある日、グロリアはテレビのニュースで韓国・ソウルが巨大な怪獣に襲われる映像を見るが、なんとその怪獣の行動は彼女とリンクしていた……。

 ヒロインと怪獣の行動がリンクするという異色な設定にしたワケについて、ビガロンド監督は「今は、(ネット上など)自分の考え方や言葉(発言など)に責任を持たなければならない。その価値観は今作にも反映されている。例えばグロリアが、ネットで戦争について聞くシーンがあるが、彼らからは全く的外れの返答がくるんだ。つまり僕らは、ネットや携帯で全く知らない人々に、考え方や言葉で影響を与える可能性がある。だからこそ自分の存在を明確にして、行動で示さなければいけないということを伝えたかった」と答えた。

 公開前に今作の制作会社ヴォルテージ・ピクチャーズが、東宝に著作権侵害で訴えられたことがあったそうだが、「その訴訟はすでに解決している。カンヌ国際映画祭で今作のセールスを行った時に、説明で『ゴジラ』を引用したことが原因だったようだ。だが実際、今作の内容は怪獣映画に敬意を表しているものの、『ゴジラ』には直接何も触れていないため、無事に解決したんだ」と説明した。

 通常の怪獣を扱った映画とは一線を画しているが、映画祭などでの評価はどうなのか。「今のところは、多くの人が気に入ってくれているよ。映画鑑賞後に観客が議論しているのを見て、それは良いことだと思った。(暗喩的なメッセージのある)今作が映画祭などでも評価を受けたのは、キャストのおかげだと思う」。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)