初代iPhoneiMacなどのデザインにおいて中心的な役割を果たしたデザイナー、クリストファー・ストリンガー氏がAppleを退社すると、米メディアThe Informationが報じています。

初代iPhoneやiMacの中心デザイナー

クリストファー・ストリンガー氏は、1995年にAppleのチーフデザイナーとして採用されて以降21年間にわたり、最高デザイン責任者(CDO)のジョナサン・アイブ氏率いるデザインチームの中心メンバーとして活躍してきました。
 
完成間近のAppleの新本社「Apple Park」への移転を待たずしての退社について、理由や退社時期、次の職場などの詳細は不明です。この件について、Appleはコメントを拒否しているとのことです。

ジョナサン・アイブ氏との特別な信頼関係

ストリンガー氏は、生まれはオーストラリアですが、イギリス北部で育ったこともあってか、同じ地域出身のジョナサン・アイブ氏とは特に親密で、Appleのデザインチームの中心的存在でした。
 
ストリンガー氏は、iPhoneのデザイン盗用をめぐるAppleとSamsungの泥沼化した法廷闘争において、Apple側の証人として法廷に立った最初のデザイナーでもありました。
 

ジョナサン・アイブ 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー
 
その時の様子は、以前ご紹介した書籍「ジョナサン・アイブ 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー」において、以下のように記されています。
 

肩まで伸びた髪、ごま塩のヒゲ、生成りのスーツに細い黒タイ姿のストリンガーは、これ以上ないほどデザイナーらしかった

 
また、アイブ氏との関係については以下のように描かれています。
 

アップルの発表イベントではジョニー(ジョナサン・アイブ氏)の横に立って話しかけるストリンガーの姿があった

強い絆で知られたデザインチームに変化も

Appleのデザインチームは、その作品はもちろん、仲の良さでもよく知られ、デザインは個人ではなくチームワークで進められています。
 
2014年、ジョナサン・アイブ氏が「優れたデザイナーになるためのヒント」というインタビューで「過去15年間で18人のメンバーが誰一人として辞めていない」と胸を張ったように、強い絆で結ばれた特別なチームでした。
 

Apple’s Industrial Design team Photo: Leander Kahney/Cult of Mac

Apple’s Industrial Design team Photo: Leander Kahney/Cult of Mac

 
しかし、ここ2年間ほど、デザインチームには変化も訪れていました。
 
最高デザイン責任者として経営幹部になったジョナサン・アイブ氏が現場の第一線を退き、リチャード・ホワース氏が業務を担うようになりました。その後、デザインチームからはダニー・コスター氏がGoProのデザイナーとして去って行きました。
 
ストリンガー氏が去った約半年後に発売される「iPhone8」が、ストリンガー氏が関与した最後の製品となるかもしれません。

 
 
Source:The Information, Cult of Mac, 「ジョナサン・アイブ 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー」(Amazon)
(hato)