今季初出場は初スタメン。中盤の底でフィルター役となっていたが、足を攣って72分でピッチから退いた。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ・5節]大宮 0-1 鹿島/4月1日(土)/NACK  金澤慎は、長く在籍する愛すべきクラブのために泥を被ることを一切厭わない。  鹿島戦が今季の初出場、そして初先発。リーグ戦の出場は昨季の第2ステージ14節・鹿島戦での13分間が最後で、NACK5スタジアム大宮でのプレーは2016年9月25日(第2ステージ13節・鳥栖戦)以来だった。  ピッチ内を縦横無尽に走る姿に、ボールホルダーに躊躇なく身体を寄せるシーンに、パスカットしようと懸命にスライディングをする姿勢に、大宮の旗艦が戻ってきたのだと実感する。  金澤のそうしたプレーは見慣れた風景だが、クラブが新スタイルへと取り組むなかで一時は淘汰されかけた。だが、中盤の潰し屋が再び必要とされた。 「今までずっと試合に出ていなかったけど、『なんとしてもクラブのために力を出し尽くしたい』と思ってトレーニングを続けていた。このタイミングで渋谷(洋樹)さんに起用してもらえて、勝点3を取りたかったが……」  ミックスゾーンでは神妙な面持ちを崩さなかった。自身の足が攣ったせいで、貴重な交代カードの2枚目を72分にベンチに使わせてしまった後悔の念を口にする。 「最後までプレーするつもりだったが、アクシデントのような形で交代してしまった。チームのゲームプランもあったはずだし、90分間ピッチに立てなかったことは改善しないと」  クラブが迎えた苦境、自信が置かれている立場、その他諸々を嫌というほど理解しているからか。結局、最後の最後まで微笑すらなかった。「出るだけじゃなくてね……」。言葉が続く。 「出場するだけではなく、求められた役割をしっかりとこなす。そして勝点3を掴む。そのための起用だったはず。それができなかった」  悩み、苦しみ、痛みを感じる。歓喜などない日に、金澤の新シーズンがやっと開幕したのだ。 取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)

 

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