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京都大学(京大)は4月3日、光量子回路により、3つの量子ビットに対する「制御スワップ操作」を、外部入力の可能なものとして実現したと発表した。

同成果は、京都大学大学院工学研究科の竹内繁樹教授らのグループによるもので、3月31日付けの英国科学誌「Scientific Reports」に掲載された。

光子は、量子状態の保存性が良く、また長距離伝送が可能であることなどから、量子情報の有力な担体として研究が進められており、これまでに、2つの光子間のゲート操作(2入力2出力ゲート素子)は実現されている。しかし、現在その効率は限られており、集積化の上で問題となっていた。

これを解決すると3入力3出力ゲート素子の実現が期待される。特に、制御スワップゲートと呼ばれる素子は、量子誤り訂正や、量子指紋認証など、さまざまなな量子プロトコルに用いることが可能となる。制御スワップゲート素子は、2入力2出力素子を組み合わせることで理論上可能ではあるが、成功確率は10万分の1以下となる。

同研究グループは今回、2008年に理論的に提案された、光の干渉計を組み合わせる方法に基づき、外部からの光量子ビットが入力可能な制御スワップゲート操作の実現に初めて成功。実験にあたっては、複数の特殊な半透鏡がひとつの光学部品に集積されたハイブリッド光学素子を組み合わせることで、非常に複雑な光回路を長時間安定な光干渉計として実現するなど、技術的な課題を克服した。

同研究グループは、今回の成果により従来の2入力ゲートを組み合わせた光量子回路に比べて、光量子回路の効率を大きく高めることが可能になると説明している。

(周藤瞳美)