第二世代最強のGT-Rを有したR34から現行モデルまで

スカイラインの生誕60周年を記念して歴代モデルを振り返る本企画。いよいよスカイラインヒストリーも最終章で、今回は10代目から現行車の13代目までを紹介していく。

10代目 R34型(1998年-2002年)

スカイラインの伝統ともいえる、ストレート6(直列6気筒エンジン)を搭載する最後のモデル。ドライビングボディというキャッチフレーズに恥じない、歴代最強の高剛性ボディ、ホイールベースのショート化(R33に対して)、そして前後重量バランスの最適化(GT-RのVスペック兇55:45)で、アンダーステアをきれいに解消。

エンジンはベース車の「25GT-t」でも、自主規制上限の280馬力を達成。GT-RのVスペックには、アンダーディフューザーを装着し、量産車では世界で初めてのグランドエフェクトを得ることにも成功している。スタイリングもウェッジシェイプで、丸目4灯のテールライトと、サーフィンラインも健在。スカイラインファンが一番納得できるカタチ(デザイン)とパフォーマンスで、10代目のメモリアルにふさわしい一台に仕上がっていた。

しかし、ベースモデルはデビューからわずか3年後の2001年に生産終了。GT-Rも、翌年、Nürスペックを限定販売(当初300台限定だったが、最終的に1000台)し、最終的に合計12175台をもって生産終了。

なお、プリンス自動車時代からスカイラインを生産してきた、村山工場での生産は2000年9月までで、それ以降は栃木工場に引き継がれた。

R34GT-Rは現在でも、評価、人気とも高く、中古車価格の平均相場は高止まり(640万円前後)。R35GT-Rの初期型よりも高価な個体が多いぐらいだ。

セダンはスカイラインの象徴「丸型テールランプ」を廃止

11代目 V35型(2001年-2007年)

GT-Rと分離した新世代スカイラインの1号車。エンジンはV型6気筒のVQ30DDとVQ25DDで、この直6エンジンよりも全長の短いV6エンジンをフロントミッドシップに搭載。理想的な前後重量配分と高い運動性能を実現する新世代のプラットフォーム、「FM(フロントミッドシップ)パッケージ」をこのV35から採用。フェアレディZ(Z33)や、ステージア(M35)、フーガなどは、このFMパッケージを採用する兄弟車。いずれもロングホイールベース・ショートオーバーハング、大径ホイールを組み合わせるのが特徴となっている。

このため、R34までは前後のオーバーハングが長いプロポーションが、スカイラインのアイデンティティだったが、V35では思い切ったショートオーバーハングに変身(その分、室内空間は広がった)。

当初は、セダンのみで、スカイラインの象徴ともいえる丸型のテールランプも廃止。MT(マニュアルトランスミッション)車はなく、4速および5速オートマチックオンリーで、いわゆるスカイラインらしさを打ち消した、新しいプレミアム・スポーツセダンを目指していた……。その後、2002年に日本国内初となる8段変速マニュアルモードを搭載した「350GT-8」(セダン)を追加。

2003年にクーペが登場し、MT車と丸型テールランプが復活する。このV35のクーペなどは、カッコいい大人の女性に似合う一台だと思う。

世界初の4輪アクティブステアリング(4WAS)をオプション設定

12代目 V36型(2006年-2016年)

V35のFMパッケージを進化させた「新世代FR-Lプラットフォーム」を採用。エンジンも部品の80%を新設計した、改良型のVQエンジン(3.7リッターと2.5リッターの2種類)を搭載。日産が開発した四輪操舵システム「4輪アクティブステア (4WAS) 」もメーカーオプションで用意された(350GT typeSPと350GT typeS)。これは世界初のシステムとなる。

2007年にはクーペモデル、2009年にはスカイライン史上初のSUV=「クロスオーバー」もラインアップに加わった。また2007年には、スカイライン50周年記念で、「50th Limited」を期間限定で販売。専用の刺繍入り赤本革シートとシリアルナンバープレート等が付いていた。

世界初のステア・バイ・ワイヤ機構を搭載

13代目 V37型(2014年-)

2013年に北米で発売された新型インフィニティQ50の日本版として、2014年に登場。全グレード(当初)がハイブリッドになった最初のスカイラインで、世界初となるステア・バイ・ワイヤ機構のダイレクトアダプティブステアリング (DAS) を実用化。不快なキックバックの影響を押さえ、操縦安定性と直進安定性の両立している。

全車にランフラットタイヤが装着されるようになったのも、このV37スカイラインから。ベンツのE250 W212に搭載された、2リッター直4DOHCターボの M274型とほぼ同等のエンジンを搭載した、「200GT-t」が2014年に登場して話題になった。前記のとおり、国内ではインフィニティの社名ではないが、グリルやエンジンヘッドカバーやホイールのセンターキャップなどには、インフィニティのエンブレムがついている。