新年度がスタートし、また“バタバタな生活”を送っている働き女子も多いでしょう。5月の連休までひと頑張り! という中、今回のビジネスマナーでは、仕事とご近所について考えてみましょう。

「年度末の経理決算業務で、残業が続きました。終電間際にへとへとで帰ってきたら、母から『ご近所の方に、あなたが勤めている会社はブラック企業なのかと言われてイヤな思いをした。派遣社員なのに残業があるなんておかしいんじゃないのか』と嫌味を言われてしまいました。母は専業主婦で、ご近所との関わりも私より深いから、気持ちはわかるのですが……。私はどうしたらいいのでしょう」(マスコミ勤務・34歳)

最近、ニュースなどでも過酷な残業について話題になっているだけに、ご近所の方も他人事ながら気になってしかながないのかもしれません。さっそく鈴木真理子先生に教えていただきましょう。

 ☆☆☆

ご近所が注目するのはあなたが魅力的だから

20代、30代の働く女性が、近所の人たちから何かと関心を寄せられるというのは、今に始まったことではありません。「どこにお勤めなのかしら?」「いくつになったのかしら?」「結婚の予定はあるのかしら?」。物騒な世の中です。自分の居住エリアのことくらいは、把握しておきたいという気持ちもあるのでしょう。とはいえ、基本的には興味本位ですね。ご近所さん同士の井戸端会議で話題にすると盛り上がるから、ネタとして知っておきたいというのが本音だと思います。

アドバイスするとすれば、「気にしないこと」につきます。知的で若くてオシャレなあなたが注目されているだけなら、問題はありません。近所の方に迷惑をかけているわけではありませんからね。わざわざ、「年度末なので、仕事が立て込んでしまったから残業が続いただけです」なんて、説明する必要もありません。

ご近所での日常の言動には注意を払って

仕事が立て込んでしまって、帰りが遅くなるのはしかたがないことです。ただし、帰宅時のご近所での言動には注意しましょう。集合マンションのエントランスやエレベーターなどに、苦情や注意事項が張り出されたケースもあります。

たとえば、足音。ヒールで歩くコツコツとした音は、意外に響きます。それが他の人には耳障りということも。また、携帯電話で話しながら家の前の通りや、マンションなどの共有スペースを歩く声が家の中まで響いてくるのがうるさいと感じる人も。

ひとり暮らしの場合はとくに、帰宅後のシャワーの音や、洗濯機を回す音、掃除機をかける音など、生活音で近所の方に迷惑をかけている場合もあります。

こういう場合、ただ単に「帰りが遅いのが気になる」のではなく、遠まわしに「静かにしてほしい」と言っているということもありますから、いまいちど、自分の生活を見直してみてください。

近所の方とは、「お互い様」の気配りをもって、万が一のときに助け合える関係を保つのが理想です。

だからといって、仲良くなりすぎると、深みにはまってしまう場合も。合った時には、ニコッと笑顔で挨拶を欠かさずに。万が一、会話するなら天気の話くらいにとどめ、不用意に自分のことを話さないようにしてみてください。

期末の決算が終わったと思ったら、今度は新入社員のフォローアップ。働くアラサーの仕事はエンドレス。



■賢人のまとめ
自分にとって「普通」のことも、ご近所の人にとっては「気になる」場合が。とくに20代、30代女性はウワサの種。笑顔の挨拶を欠かさずに、仲良くなり過ぎないのがポイントです。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

(株)ヴィタミンMサイトhttp://www.vitaminm.jp/