女子ゴルフ米国ツアーメジャー第1戦、ANAインスピレーション最終日。プレーオフで敗退し、落胆するレクシー・トンプソン(2017年4月2日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】男子ゴルフの第81回マスターズ・トーナメント(The Masters Tournament 2017)に出場するスター選手は3日、女子ゴルフの米国ツアーメジャー第1戦、ANAインスピレーション(ANA Inspiration 2017)でのレクシー・トンプソン(Alexis "Lexi" Thompson、米国)のように、テレビ視聴者からの指摘によるペナルティーでタイトルを逃す事態はなくすべきだと主張した。

 ANAインスピレーションに出場したトンプソンは、1日に行われた第3ラウンドを見たテレビ視聴者から反則行為を指摘され、最終ラウンドの残り6ホールで4罰打を受けた。これで3ストロークのリードを失って動揺したかに見えたトンプソンは、そこから挽回して勝負をプレーオフに持ち込んだものの、最後は柳簫然(So Yeon Ryu、ユ・ソヨン、韓国)の前に屈した。

 世界ランク8位のリッキー・ファウラー(Rickie Fowler、米国)が、「こんなことは終わらせるべきなのは間違いない。この意見に反対する選手がいるとは思えない」と強調すると、同7位のジャスティン・トーマス(Justin Thomas、米国)も、「彼女は本当に怒っていたし、心が折れていた。どうやってプレーを続けられたのか分からない。不愉快だ」と不満をあらわにしていた。

 今季のメジャー第1戦、マスターズの開幕を6日に控え、オーガスタ・ナショナルゴルフクラブ (Augusta National Golf Club)で同様の不運に直面する可能性がある男子のトップ選手たちからは、同情と怒りの声が相次いだ。

 第98回全米プロゴルフ選手権(2016 PGA Championship)覇者のジミー・ウォーカー(Jimmy Walker、米国)は、「誰かが電話してきて『あれは反則だ』と指摘するスポーツなんて他に存在しない。あり得ないことだ。どうしてわれわれだけが例外で、そんな目に遭うのか分からない。テニスではインとアウトの判定について電話を受けることはない。この状況を変えるべきだと思う」と話した。

 リプレーによる視聴者からの指摘を判定では無視するべきだと、すべての大会に出場する選手たちが期待していると話すファウラーは、「こうした意見は、すでに以前から出ていたはずだ。電子メールや電話など、外部からの指摘があってはならない。これは懸案事項となっていて、ずっと前から議論されている。まだ問題になっていて、状況が変わっていないのは驚きだ」と不満を訴えた。

■「どうかしている」「不可解だ」

 前日に自宅でテレビ観戦をしていた視聴者から、パットの際にマークの位置をほんの少し動かすミスを犯したという指摘があり、トンプソンがメジャーの勝利を逃したことについて、トーマスは驚いたと話すとともに、不正を行ったと考えるのは「ばかげている」と主張した。

「ラウンドの決着がついてからこんなことが起きるなんて、どうかしている。大会とは何の関係もない人間が、1日経過してから判定に影響を及ぼせるなんて。そんなことが可能で彼女のメジャー優勝がなくなるのは、自分にとっては不可解だ」

「フラストレーションを覚えるし、こんなことは避けなければならない。とにかく改革すべきだ。どうやって連絡を遮断すれば良いか分からないけど、どうにかする必要がある」

 ファウラーはさらに、米プロバスケットボール(NBA)と米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)で導入されているような正式なビデオ判定なら問題はないとして、「ビデオやカメラで常に正式な監視が行われているのであれば、それは受け入れる。オフィシャルな判定であれば、何の問題もない。他のスポーツを見てみると、ビデオブースの係員に確認している」と話した。

 しかし、その意見に対してウォーカーは、選手全員が平等にカメラの監視を受けられるわけではないとして、「たくさんのカメラがあるなら、電話であのような指摘をしてくるべきじゃない。一部の選手は、たくさんのカメラに囲まれていて不公平だと思う。それは本当に、不当な仕打ちを受けているようなものだ」と語った。 

■「どこで区切りをつける?」

 世界ランク1位のダスティン・ジョンソン(Dustin Johnson、米国)も、優勝した昨年の全米オープン選手権(2016 US Open Championship)の最終ラウンドで1罰打を科された経験がある。一時はルール委員からプレー続行を許されたにもかかわらず、同選手はその後、5番ホールで違反を犯していた可能性を指摘された。

 ファウラーは、「過去にも試合を台無しにするような、いくつかの事例を見てきた。電話や電子メールを使ったり、関係者に連絡を取ったりして違反を指摘できるスポーツなんて他にない」と話した。

「だから、今回の処分については本当に残念だ。僕の意見としては、問題が起きたら24時間以内、その日うちに対処すべきだ。スコアカードにサインしたら、それで決まりなんだ」

 ファウラーはまた、ビデオ判定がどこまで続くことになるのか疑問だとしている。試合後あるいは数年後でも違反が発覚すれば、選手は勝利をふいにする可能性があるのだろうか?

「大会が終了して月曜日に何か指摘されるようなことがあれば、僕らはどこで区切りをつければいい?木曜日に起きたことについて日曜日に指摘されたら、さかのぼってペナルティを受けなければならないのか?」

「日にちをさかのぼって選手のあらゆるプレーを見直したり、何年もかけたりすればルール違反は見つかる。そういう方針で行っていくというなら、僕はノーと言うつもりはない」

 しかし、トーマスは全員が平等にカメラで監視されているわけではないため、そのような判定は不公平だとして、「一流選手でなければテレビには映らない。ビデオ映像の証拠がない選手も出てくる可能性がある」と指摘した。
【翻訳編集】AFPBB News