どこか精彩を欠いたCBの森重。写真:サッカーダイジェスト

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【J1リーグ5節】FC東京 3-3 鳥栖/4月1日/味スタ
 
 まさかの展開だった。終盤の86分に3-1と鳥栖を突き放しながらも、その後の数分間で2失点。負けに等しいドローで勝点2を失ってしまった。
 
 では、なぜFC東京の守備ブロックは突如として決壊したのか。
 
 そもそも、この日の守備陣は前半からあまり安定していなかった。頼みの森重、丸山の両CBが精彩を欠き、開始4分にはPK(厳しい判定にも見えたが……)を、67分にはイバルボのチャンスメイクから決定機を与えている。
 
 それを踏まえると必然の決壊とも言えるが、とはいえ見逃せないポイントはある。終盤85分のCB吉本の投入だ。CBを2枚から3枚に増やし、5バック(室屋、森重、吉本、丸山、太田)に近い形で守るようになってからよりバランスを崩したようにも見えた。具体的には、人数は揃っているものの、不慣れなシステムのせいかマークの受け渡しが不十分で鳥栖のロングボール攻撃に後手を踏んでいるように映ったのだ。
 
 FC東京が吉本を投入して「守りますよ」となったおかげで、鳥栖は良い意味で吹っ切れたかもしれない。「ならば、こっちは守りを気にせずに攻めますよ」と。
 
 実際、吉本投入後のFC東京はロングボールを多用し、つなぐ意識があまり見られなかった。そうした消極的なスタンスのせいで、試合の流れを失ってしまったという見方もできるだろう。
 
 実を言えば、FC東京はシステム変更をきっかけに敗れた試合が他にもある。例えば、昨年9月17日の浦和戦。1-0で迎えた58分にCBの丸山を投入して5バックに近い形にすると、浦和にボールの主導権を完全に握られる。そして、77分、85分、87分と立て続けにゴールネットを揺さぶられ……。1-3で敗れてしまったのだ。

 浦和戦では丸山が、鳥栖戦では吉本が失点に絡んでいるが、果たして単なる偶然なのか。
 
 シチュエーションは多少違うとはいえ、篠田監督は浦和戦と同じようなミスを犯した。鳥栖戦で引き分けたのは、指揮官の采配に問題があったから──。そう非難されても仕方のない部分はありそうだ。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)