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市場動向調査企業である英IHS Markitは3月30日(米国時間)、2016年の世界半導体売上高の総計が、前年比2%増の3524億ドル(確定値)となったことを発表したほか、半導体企業の売上高ランキングの2016年(確定)版も発表した。

IHSの2016年の半導体市場予測は、ほかの半導体市場調査企業と同様に、2016年年初は、前年に続く形で2年連続のマイナス成長を予想していた。しかし、年後半にDRAMとNAND型フラッシュメモリの平均販売価格(ASP)が上昇し、結果として2つのデバイスともに3割以上の成長となったため、最終結果としては2%のプラス成長に転じたという。IHSでは、この勢いは2017年も継続すると見ており、メモリ市場は記録的な売上高になる可能性があるとしている。ちなみに、メモリのほか、車載半導体も同9.7%増と2016年の半導体市場のけん引役を担った。

一方の2016年における半導体企業の売上高に基づくランキングだが、1位の米Intel、2位の韓Samsung Electronicsは不動であるが、3位以下に大きな動きがあった。3位は韓SK Hynixを抜いたファブレス世界トップの米Qualcomm(前年4位)がランクイン。同社は2017年、NXP Semiconductorsの買収が完了する見込みであるため、さらにシェアを伸ばすだろうが、それでも2位のSamsungに追い付けそうにはない。

2016年の半導体業界は、370億ドルという業界として史上最高額(当時)のAvago Technologiesによる米Broadcomの買収で始まったが、こうして誕生した新生Broadcomが、SK Hynixを抜きランキング4位に躍り出た。2015年当時、Avagoはランキング11位であったことから、大躍進といえよう。

唯一の日本勢となる東芝は、NANDの需要急増に伴う価格高騰のおかげで売り上げを前年比16%増と伸ばしたものの、順位は前年同様8位にとどまった。その東芝だが、現在進められている分社化、ならびに売却の動き次第では、外資による買収となり、結果としてトップ10から日本勢が全滅する事態が生じる可能性も高い。

10位には台湾MediaTekがランクイン。その売上高は、前年比で31%増と、トップ10のうちで抜きん出た成長率を示し、世界2位のファブレス企業としての存在感を示した結果となった。

なお、11位以下では、米ON Semiconductorと米NVIDIAが業績を伸ばしている。ON Semiconductorはさまざまな買収を通して、NVIDIAはGPUのAI分野やスーパーコンピュータ/HPC分野を中心とした多方面展開に注力することで、売上高をそれぞれ伸ばしてきた。ちなみに、ファブレス企業の中で最も大きな成長率を示したのは、米AppleとSamsungのスマートフォン向け製品供給契約を勝ち取った米Cirrus Logicで、ファブレス企業としてのランキングは、前年の15位から2016年は10位へと順位をステップアップさせることに成功している。

(服部毅)