<トランプがホワイトハウスでエジプトの独裁者シシとほほ笑んでいる。オバマ政権ならあり得なかったことだ>

ドナルド・トランプ米大統領は3日、エジプトのアブデル・ファタハ・アル・シシ大統領をワシントンのホワイトハウスに招き、人権抑圧や政治弾圧で悪名高い軍事独裁者に「素晴らしい仕事をした」と賛辞を贈った。バラク・オバマ前政権時代にはありえなかったことだ。

オバマはシシがホワイトハウスに来ることさえ許さなかったため、シシにとってはこれが初の訪問になる。トランプはそんなシシを歓迎し、大統領執務室で二度も固い握手をかわした。先月訪れたNATO同盟国、ドイツのアンゲラ・メルケル首相とは、記者団に促されても握手をしなかったのとは対照的だ。

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トランプは、「シシ大統領は難局に素晴らしい働きをした。我々はエジプトとエジプト国民を強く支持していることを皆に知らせたい」と述べた。

エジプトでは2011年、「アラブの春」に触発された反政府デモがムバラク長期独裁政権を倒し、イスラム原理主義組織「ムスリム同胞団」出身のムハンマド・ムルシが大統領に選出された。シシは2013年、軍事クーデターでそのムルシを更迭して実権を握り、ムルシの支持者を弾圧した。当時のオバマ政権はクーデター後も海外援助や軍事援助は続けたものの、シシの権威を高めることになるホワイトハウスでの会談は行わなかった。

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トランプとシシは、テロ対策で協力していく考えを強調。シシはトランプを「強い指導者」と称賛し、「テロに立ち向かうために常に米国と協力する」と述べた。またパレスチナ紛争を「世紀の問題」と呼び、和平に向けて協力していくことを誓った。トランプは、数十年続くこの紛争に決着をつけるべく娘婿のジャレッド・クシュナーを大統領上級顧問に任じた。エジプトは1979年にイスラエルとの間に親米的なイスラエル・エジプト条約を締結、維持している。

シシとの親しさをアピール

オバマは8年前、エジプトの首都カイロで行った有名な演説で、イスラム世界の数十億人のイスラム教徒に直接語りかけた。この劇的な舞台で、オバマはアメリカとイスラムが無縁ではないことやオバマが母と幼少期を過ごしたインドネシアについて語り、歴史的な不和を克服して新しい関係を構築すると宣言した。

一方、一部のイスラム教徒にアメリカへの入国を一時禁止する大統領命令を出したトランプにはそのような訴えもなく、代わりにシシとの親しさや、会談が予定時間を大幅にオーバーしたことなど、良好な関係をアピールした。

シシとトランプは、対テロ戦争の他、通商や経済援助について話し合った。レックス・ティラーソン米国務長官との会談も予定している。共同記者会見の予定はない。

マシュー・クーパー