安定したプレーで勝利を掴んだイ・ミニョン(撮影:米山聡明)

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イ・ミニョン(韓国)が日本ツアー初優勝を挙げた「ヤマハレディース」。ミニョン、渡邉彩香、申ジエ(韓国)の最終組が伸ばし合い土壇場まで競り合った三つ巴の戦いを上田桃子らを指導するプロコーチの辻村明志氏が振り返る。
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■“ザ・井上誠一”という難コース 鍵を握ったのは「下から下から」
ヤマハレディースが行われた葛城ゴルフ倶楽部 山名コースは名匠・井上誠一設計のツアー屈指の難コースだ。「上から速くサイドからは大きく曲がる難しいグリーンの“ザ・井上誠一”というところですね」。いかに基本に忠実に攻められるかが明暗を分けた。「とにかく手前から良いラインを残すということ。下から下から打てるように攻めることが大事です。それができていた選手が上位に行きました」。常に登りのパッティングをすることでグリーンスピードに慣れることがカギだったと話す。
■イ・ミニョンの安定したプレーは“心の重心”が低いから
勝ったイ・ミニョンは「今だから言うわけではなく、ダイキンで初めて練習を見たときにこの選手はすぐ勝つなと思っていました」。理由は安定感のあるスイング。「基本的なフォームは韓国選手らしい軸回転の綺麗なもの。基本的にはフェードヒッターでやや左を向いて打つ選手です。何が素晴らしいってスイングに角がない。変な詰まりが無く流れるような一連の動作が安定感を生み出しています」。
そして辻村氏が強調するのがフェードヒッターなのに“開かない”点。「ダウンスイングから左膝、左の頬(ほほ)が全く開かない。開かないからこそ安定した精度の高いフェードボールが打てるのです。フェードボールと言えば、開いて打ってるように思ってる人が多いが、フェードボールだからこそ体の左サイドを開かずスイングできないといけません。体の左サイドが開いたフェードボールは 精度の低い弱々しいスライスです」
スイングだけではない。心の落ち着きが難コースでも崩れないプレーを作っている。「心の余裕がスイングに現れていますね。彼女は身体も心の重心が低い。重心という字は“心の重さ”と書くように、体だけでなく心もしっかりと地に足が付いている。だから力みだったり打ち急いだりがない。パッティングでもそう。人間恐怖心が出ると体が浮いてしまうもの。彼女はピンチでも体も心も低い位置でプレーできているから長いパット、クラッチパットを決めることができるのです。もう1勝どころか、もっとやっちゃうんじゃないかなという感じがしています」
■渡邉彩香は“ヤバいくらい”パターがいい!
一方途中で首位に追いつくも16番で痛恨のダボを叩き単独2位で終わった地元・静岡出身の渡邉彩香。辻村氏は渡邉について敗れたものの、「状態は良い」と仕上がりの良さを強調する。「成績以上に好調なスタートを切ってるな、と見ています。スイングに一体感が出ているのです。何故かというと余計な手の動きがなくなり、無駄な力が入らなくなったためです。昨年の後半不調だった時は“力”で無理やり飛ばしていた印象でしたが、今はアドレスで自然に立って脱力して打てています。良い時の感じに戻っているといます」
そのショットよりも辻村氏が「ヤバいくらい良い」と話すのがパッティング。「2年前と比べて相当上手くなっていると思います。昔は今みたいにタッチを出せる選手じゃなく、パチンと打っていました。それから重きを置いて練習した賜物でしょう。今はスーッとフェースと共にボールを送り出している。横からのパッティングはスピードとタッチが合わないと入りません。今はカップに向かっていくスピードが良いですね。勝つための準備ができてるなという印象を受けました」。
■開幕から出遅れた申ジエ それでも体はキレキレ
風邪のような症状が続き、オフの合宿もままらないどころか開幕から3試合で欠場しながらも今大会3位に入った申ジエにも言及。「ショットのタイミングもドンピシャだし、体もキレキレでした。(スコアを落とした)2日目さえ無ければジエの大会だったでしょう。全体を通してみればボールコントロール、マネジメントも素晴らしかった。問題ないどころか去年より状態は良いですね」
解説・辻村明志(つじむら・はるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチとして上田桃子、濱美咲らを指導。上田の出場試合に帯同、様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。ツアー会場の愛称は“おにぃ”。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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