スカルキャンディーから重低音再生と同時に本体が震えるBluetoothワイヤレスヘッドホン「CRUSHER WIRELESS(クラッシャー・ワイヤレス)」が4月7日に発売されます。ちまたに数多くのワイヤレスヘッドホンがあふれているいま、新顔の「CRUSHER WIRELESS」のユニークなところを紹介したいと思います。

↑CRUSHER WIRELESS

 

アメリカで誕生したスカルキャンディーは、ドクロのロゴマークとポップなカラーリングのファッショナブルなヘッドホン・イヤホンをラインナップに多数揃えるブランド。比較的リーズナブルな価格帯の製品も多いことから、欧米を中心とする若い音楽ファンから絶大な支持を集めてきました。またスポーツを愛する創業者が立ち上げたブランドであることから、アスリートにも愛用者が多くいるそうです。日本上陸後も勢いよく伸びている海外ブランドのひとつです。

↑ヒンジのところにドクロのブランドロゴをデザイン

 

CRUSHER WIRELESSの前身となるヘッドホンとして、「CRUSHER」という有線タイプのモデルがあります。低音の微調整機能を備えるヘッドホンやイヤホンはたくさんありますが、CRUSHERシリーズはさらに低い帯域の「重低音」にフォーカスしているところが個性的です。2013年の秋に有線タイプのCRUSHERが発売されて以後、本機を「ワイヤレスでも楽しめるようにしてほしい」というファンからの熱いラブコールを受けて、CRUSHER WIRELESSが誕生したといいます。

 

ワイヤレスモデルは音源に重低音成分が含まれていると、通常の音楽再生用のドライバーとは別に搭載する振動専用のドライバーが震える仕組みを有線モデルから継承して、さらに重低音の信号を左右独立で鳴らせる「Stereo Haptic Bass」機能を搭載しました。これによって重低音が左右に移動する立体感も再現できるようになったので、映画やゲームなどのコンテンツを楽しむ時にもいっそうの没入感が得られそうです。

 

重低音の量感は左のイヤーカップに搭載されているスライダーで調節することができ、振動をオフにすることも可能です。

↑重低音の量は本体のコントローラーで調節する

 

従来のスカルキャンディのヘッドホンにあったポップな印象はガラリと変わって、CRUSHER WIRELESSは落ち着いた高級感の漂うデザインを特徴としています。カラバリにはブラック系とホワイト系の2種類をラインナップ。ボディのメイン素材は樹脂製でできていますが、スライダーを引き伸ばすとメタルのパーツが顔をのぞかせます。本体はコンパクトに折り畳めるコラプシブル設計なので、付属するポーチに入れて軽快に持ち運ぶことが可能です。

 

↑付属のケーブルにはリモコンも搭載する

 

音楽再生やハンズフリーコールに応答する場合は右側イヤーカップのリモコンを使います。内蔵バッテリーによる連続再生は最長40時間。バッテリーが切れても付属するケーブルをつないで音楽が聴けるように設計されていますが、電源が完全に切れてしまうと振動機能は使えなくなります。

↑音楽再生や通話のコントロールも本体のボタンから行える

 

ヘッドホンが激しく震える! はじめての重低音体験

それではCRUSHER WIRELESSのサウンドを実機で体験してみたいと思います。イヤーカップは一般的なアラウンドイヤータイプよりは少し小さく、オンイヤータイプよりは大きめ。頭に装着するとヘッドバンドの側圧は若干強めに感じられますが、これは重低音が外に漏れないようしっかりと遮音性を高めるためでしょう。そのぶん、柔らかい形状記憶イヤーパッドが側圧の負荷をバランスよく和らげているので、特にキツさは感じませんでした。

 

最初にiPhone 7につないでApple Musicのサウンドを聴いてみます。低音を盛ってそうなマドンナのEDM系楽曲から「Hung Up」を選んで、イヤーカップの振動スライダーを徐々に動かしていくと、重低音の量感が存在感を増して、ヘッドホンが激しく震えだしました。スライダーを最大値まで持っていくと、かなりの重低音が出ます。通常の音楽再生用のドライバーは別途配置されているので、音楽と重低音はくっきりと分かれて聞こえるのですが、低音成分がしっかり収録されている曲の場合、重低音をMAXにすると音楽に被さってきて、さすがに心地よさが失われる感じがします。曲やアルバム単位で全体のバランスを聞きながら重低音をちょい足しする感覚だと、ちょうど良い立体感がつくれるのでおすすめです。

 

振動をゼロに絞って、通常のワイヤレスヘッドホンとして素の音楽再生の実力もチェックしてみました。スカルキャンディのヘッドホンは、低音が少し強めにアレンジされている印象を持っていましたが、CRUSHER WIRELESSはバランスのよい素性を持っています。中高域も明瞭で、安定感のある低音が音楽を肉付けします。例えばクラシックピアノは繊細な高域の線もきれいに出せるし、ジャズのピアノトリオもそれぞれの楽器の音が均等に存在感を放っています。音づくりはほんの少し派手めな感じもしますが、そのぶん楽しく聴けるサウンドです。

 

映画やゲームがより楽しめるマルチメディアヘッドホン

続いて映画コンテンツの再生にも挑戦。iPhone 7でNetflixの新作オリジナルドラマ「アイアン・フィスト シーズン1」を見てみました。6話目のエピソード、敵陣での戦闘シーンではアイアン・フィストの打撃が炸裂するたびにヘッドフォンが心地よくバイブします。重低音をある程度足しても、セリフがかき消されてしまうこともありません。本作も重低音成分が濃いめに収録されているので、アクションシーンではかなりCRUSHER WIRELESSが活躍する場面が続きます。あまり振動スライダーのゲージを上げてしまうと鑑賞中に疲れてしまうこともあったので、迫力を盛りたいシーンを選びながら重低音をアレンジすると、絶妙な没入感を味わうことができました。

↑Netflixオリジナルの「アイアン・フィスト シーズン1」

 

iPadでレーシングゲーム「アスファルト8」も遊んでみました。サウンドトラックやブレーキをかけたときの甲高い音もきれいに聞こえるので、手に汗を握るリアリティが伝わってきます。重低音の左右方向への移動感も鮮明です。本タイトルは重低音成分をバランスよく収録しているので、振動スライダーを持ち上げぎみに設定しても心地よい迫力が味わえました。ゲームコンテンツや、はやりのVRコンテンツとも相性がよいヘッドホンだと思います。

 

惜しいのは、AACやaptXといった高音質・低遅延のコーデックに対応しておらず、SBCしか利用できないこと。FPSやアクションゲーム、音ゲーなどは、音の遅れが気になる場合があるかもしれません。

↑ゲームコンテンツとの相性も抜群だ

 

また、重低音を強めるとまわりに漏れていないか心配になりますよね。特に満員電車で使う時のことも考えて、念入りにチェックしてみました。静かな部屋の中で重低音のボリュームを最大に上げて音楽を聴きながら、家族の耳元近くまで寄ってみましたが、重低音の漏れはほどんど感じられないとのこと。ヘッドホンが震えはじめても、耳で聴いている音ほどに大暴れしているようにも見えないようです。普通のヘッドホンをアウトドアで使うのと同じ感覚で、周囲に気配りしながら使えば大丈夫ではないでしょうか。

 

豊かな個性だけでなく、音楽再生の実力と機能性も備えて2万円前半という価格設定も魅力的に感じました。CRUSHER WIRELESSはまさしく「頭に乗せて楽しむホームシアター」。ありふれたワイヤレスヘッドホンでは満足できないという方に、ぜひ試してもらいたいアイテムです。