新しい生活環境になじめず、職場や学校に行くのに気が重い。腹痛や胃痛など身体的な異常が出ている場合は、適応障害かもしれません。まずは、セルフチェックで確認を!

過度なストレスがかかっている人は要注意!

学校や職場に適応できない人が診断される「適応障害」。ストレスが原因で引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態と定義されています。適応障害は、その人にとってストレスになっているものから離れると、一気に症状が改善するのも特徴のひとつ。そのため、まわりの人からは甘えや仮病などと感じられることもあり、適応障害の人への接し方が難しい場合もあります。

治療は、本人だけではなく、家族などまわりの人に協力も必要です。また、病気になってからの発言や行動は、家族や友人を不快にさせる場合も。ですが、これは本人の本質とは違うということを理解しましょう。治療は、精神療法が中心ですが、症状により薬物療法も期間を限定してサポート的に取り入れる場合もあります。薬は、抗不安薬や抗うつ薬などが用いられます。

適応障害は早めの治療が大切。まずはセルフチェックを

適応障害とうつ病は混同されがちですが、異なります。うつ病は、脳内ホルモンの分泌異常がみられますが、適応障害ではみられません。そして、適応障害の原因は、環境ストレスだと原因がはっきりしています。しかし、適応障害と診断されても、5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されているそう。そのため、適応障害は、重い病気の前の段階とも考えられ、早めに治療や環境の改善を行う必要があります。
会社や学校に行くと具合が悪くなるなどの症状を感じたら、まずは下記のセルフチェックをしてみましょう。

1)明らかに大きなストレスを抱えている

2)そのストレスを感じてから、肉体的や精神的に異常を感じるようになった

3)そのストレスによる異常で、社会生活を送るのが難しい

4)ストレスを感じる状況に身を置くと、異常が強く出る

5)明らかに大きなストレスを抱えていること以外に、精神障害がない

特に、1と、それ以外に当てはまる項目がある人は、病院の受診を考えた方がよいかもしれません。心療内科、または精神科に相談に行きましょう。

「ストレスから1ヶ月以内に発症」が診断基準

上記のセルフチェック以外にも、適応障害の見分け方はあります。適応障害の症状には個人差がありますが、気分が落ち込む、仕事や学校の勉強に対して無気力になってしまうなどが代表的なものです。そのほか、ストレスを周囲にあたり散らすように、暴言、暴飲暴食、過激な例では暴力行動に出る人もいるようです。
また、ストレスを感じ始めてから1ヶ月以内に発症し、ストレスの原因になることをやめてから6ヶ月以上症状が持続することはないそう。こういったことが、適応障害の診断基準とされています。

適応障害の回復には休職と退職どちらがいい?

適応障害の症状の改善に、学校や仕事を休むことを医師からすすめられる場合もあります。仕事の場合は休職か退職かを選ぶことになりますが、どちらがよいのでしょうか。
休職の場合は、復職の際に慣れている職場に戻ることができること、転職活動する負担が減るというメリットがあります。一方で、元になるストレスが職場環境にあるケースでは、職場環境が改善されない場合は適応障害が再発する怖れもあります。また、休めるのは休職申請をしている期間のみになります。

一方で退職した場合は、心身ともにゆっくり回復に時間を当てることができます。しかし、経済的に苦しくなりますし、回復した後は再就職のための就職活動が必要になり、新しい職場環境に順応するまでに新たなストレスを感じるというリスクもあります。どちらが良いかは医師や家族と、自分の症状をふまえてじっくり検討しましょう。

執筆:月刊『からだにいいこと』編集 -株式会社からだにいいこと