写真提供:マイナビニュース

写真拡大

京都大学iPS細胞研究所(CiRA:サイラ)、武田薬品工業、理化学研究所(理研)は、糖タンパク質の糖鎖脱離酵素「N-グリカナーゼ」をコードするNGLY1の欠損症の治療を目指した創薬研究について、共同研究契約を締結したと発表した。

NGLY1欠損症は、NGLY1遺伝子の変異が原因で成長の遅れ、発育不全、運動障害、てんかん、涙が出にくい等、さまざまな症状が見られる遺伝性の希少疾患。同プロジェクトでは、理研で進めてきた基礎研究に、山中教授のグループが開発したiPS細胞技術と武田薬品が有する創薬基盤を組み合わせることで、まだ確立されていないNGLY1欠損症に対する治療法を開発していくという。

また、このプロジェクトは、2015年4月にCiRAと武田薬品が発表した共同研究プログラム「Takeda-CiRA Joint Program for iPS Cell Applications」(T-CiRA)のひとつとして位置づけられ、NGLY1を発見した理研の鈴木匡チームリーダーが研究責任者として同プロジェクトをリードする。

鈴木匡チームリーダーは、「これまでの我々の基礎研究を創薬に活かす機会を与えていただき、身の引き締まる思いです。CiRAと武田薬品だけでなく、NGLY1欠損症の治療開発のためにこれまで協力関係を築いてきたグレース科学財団とも更に連携を深め、患者さんに一刻も早く薬を届けられるよう精一杯研究に取り組みたいと思います。」と述べている。

また、CiRA所長であり、iPS細胞の開発者としてノーベル賞を受賞した山中伸弥氏は、「鈴木チームリーダーは細胞内でタンパク質の品質を維持する上で重要なNGLY1遺伝子について研究をされています。これまでの知見とT-CiRAの環境を活かして、NGLY欠損症に対する治療法開発が迅速に進むことを期待しています。」と述べている。

さらに、武田薬品の再生医療ユニットグローバルヘッドであり、山中教授のチーフアドバイザーである出雲正剛氏は、「この度、NGLY1の研究で世界的なリーダーである理研の鈴木先生にT-CiRAに参画していただくことを嬉しく思います。また、日本が誇る世界的な研究機関である理研とT-CiRAが連携することにより、研究が大いに加速することを期待しています。」と述べている。

(早川厚志)