Appleは、イギリスのImagination Technologiesに対し、iPhoneなどのグラフィック処理プロセッサ(GPU)に採用している技術利用契約を2年以内に終了する、と通告しました。今後、AppleはGPUの独自開発を進める方針です。

総収入の半分を占める最大顧客、Appleからの契約終了予告

Imagination Technologiesは現地時間4月3日、Appleが同社技術のライセンス利用契約を15か月から2年の間に終了する、と通告してきたことを公表しました。
 
AppleがImagination Technologiesに支払っているロイヤルティー等は、2015-2016会計年度に6,070万ポンド(約84億円)で、同社の総収入のおよそ半分を占めています。
 

Imagination Technologiesの報道発表

Imagination Technologiesの報道発表


 
この情報を受けてロンドン証券取引所でImagination Technologiesの株価は3月31日の終値268.75ポンドから、4月3日の取引開始直後、一時84ポンドまで約70%の暴落を記録しました。

Appleとの交渉決裂なら法廷闘争も

Imagination Technologiesは、Appleから「独自のグラフィック処理技術を開発する」、との通告を受けたことを明かすと同時に、Appleが同社の特許や知的財産を侵害せずに新たなGPUを独自開発するのは非常に困難だろう、との見解を発表しています。
 
最大の顧客から一方的に契約終了を突き付けられたImagination Technologiesとしては、現行の契約下での解決策を求めてAppleと協議する方針ですが、Appleが自社の知的財産や守秘情報の不正使用を行った場合には法的手段を講じる可能性もある、との姿勢です。

「iPhone8」のARや顔認証を支えるのではとの予測も

Imagination Technologiesは、モバイル向けのグラフィックアーキテクチャで先駆者的存在であり、とくにPowerVRアーキテクチャは、iPhoneやiPad、Apple Watch、Apple TVそしてiPodと幅広いApple製品に活用されています。
 
Imagination Technologiesは3月に、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の処理に強い次世代アーキテクチャ「PowerVR Furian」の性能向上版を発表したばかりです。
 
2017年中盤に同アーキテクチャを採用した製品が発表予定、との計画から、「iPhone8」のARや顔認証機能に活用されるのではないか、と予測されていました。

2015年頃から噂されていたAppleのGPU独自開発計画

一方で、Appleへの依存度の高さがImagination Technologiesの弱点ともなっており、2016年3月には、iPhoneの売り上げが伸び悩んだ影響で従業員350人を解雇する大リストラを実施しています。
 
その後Appleは、Imagination Technologiesから経営幹部を含む人材を続々と引き抜いており、同社を買収するのではないか、あるいは2015年頃から噂のあったAppleのGPU独自開発計画の準備ではないか、とも囁かれていました。

 
 
Source:Imagination Technologies, AppleInsider
(hato)