森友学園問題や南スーダンの自衛隊の日報問題など課題の多い第193回通常国会のなかで、政府が成立を目指そうとしている1つの法案がある。2020年の東京五輪に向けて制定を目指す受動喫煙対策法案だ。受動喫煙の制限促進に好意的な世論を考えれば、速やかに制定してもおかしくないこの法案。だが、自民党内の強硬な反対もあり、法案成立の目途は見えていない。この法案を巡る自民党内の動きについて、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏に聞いた。(取材・文/清談社)

自民一強の弊害がここにも
遅々として進まない法案成立

 厚生労働省が制定を目指す受動喫煙対策法案。当初の案では、「官公庁、競技場、社会福祉施設」の建物内は禁煙、そして「医療機関、小中学校」の建物も含めた敷地内は全面禁煙。それに加えて「飲食店やホテル、旅館などサービス業の施設」「駅や空港、バスターミナル」に関しては、建物内は禁煙とするものの、これらの施設に限っては例外として「喫煙室」の設置を認めるという内容であった。違反した場合は、自治体が勧告を行い、罰則が科されることになる。

 だがこの案は、たばこ農家や飲食店を支持団体に持つ議員たちからの反対に遭っている。その結果、厚生労働省は、3月1日に「延べ床面積30平方メートル以下のバーやスナックなどの小規模店舗」を例外にするという修正案を公表した。

 この動きについて、鈴木哲夫氏はこう解説する。

「よく永田町の論理などと揶揄されますが、今回の法案についても、永田町の感覚は一般社会と遊離しています。自民党一強の弊害とも言えますが、いまや自民党議員の多くは、社会の空気や風を読もうとする感覚を持っていません。国民の8割近くが非喫煙者で、受動喫煙の制限促進を望む圧倒的な世論の存在を無視しているんです」

「今回、自民党の動きはとにかく遅い。『飲食店が潰れる』ことを理由に反対するくらいならばまだマシで、なかには『煙草を吸うのは憲法で保障されている権利だから』と主張する議員もいるほど。憲法で保障されている権利について言及するならば、受動喫煙で健康に悪影響を受ける非喫煙者たちの権利はどうなるのか、という話になるのですが…」

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