インド・グワハティで、約60年ぶりに再会を果たしたチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマと、亡命時に護衛を担当したインドの元国境警備兵のナレン・チャンドラ・ダスさん(2017年4月2日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】インド北東部への訪問を開始したチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世(81)は、チベット(Tibet)動乱で中国に対する蜂起に失敗し、インドへ亡命した際に警護に付いたインド人の元国境警備兵と2日夜、約60年ぶりに感動の再会を果たした。

 ダライ・ラマは1959年、動乱を鎮圧しようとした中国政府がチベット自治区に大量の軍隊を投入したため、身の安全のために故郷のチベット自治区を後にした。その際にダライ・ラマは、インドの国境警備兵を退役したナレン・チャンドラ・ダス(Naren Chandra Das)さん(79)と出会い、今回はその時以来の再会となった。

 インドPTI通信によると、同国北東部アッサム(Assam)州の州都グワハティ(Guwahati)での式典でダスさんと会ったダライ・ラマは明らかに感動した表情でダスさんを抱きしめるとともに、「あなたの顔を見ると、自分も大変歳をとったに違いないと思います」と語った。

 ダスさんは、若き日のダライ・ラマが中国軍の追跡を逃れるために兵士に扮(ふん)し、13日間に及ぶヒマラヤ(Himalayas)山中の徒歩移動を経てインドへ到着したときに、その若者に話しかけないようにという命令を受けていたと回想。「われわれの任務はその旅の間、ただ彼を警護することだった」と話した。

 ダライ・ラマは今回、国境を越えてインドへ初めて足を踏み入れた場所である北東部アルナチャルプラデシュ(Arunachal Pradesh)州タワング(Tawang)の僧院に立ち寄った後、グワハティ入りした。中国政府は同州の領有権を主張しており、周辺は中印国境係争地となっている。

 ダライ・ラマがチベット自治区の中国からの分離独立を目指しているとみなしている中国政府は、今回の訪問を非難し怒りを露わにしており、中印関係を深刻に損なう可能性もあると警告している。
【翻訳編集】AFPBB News