山田洋次監督と石川梵監督

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 写真家・石川梵が初めてメガホンをとったドキュメンタリー映画「世界でいちばん美しい村」(公開中)のトークショーが4月3日、東京・東劇で行われ、石川監督、本作のオフィシャルサポーターを務める山田洋次監督が出席。石川監督は、山田監督を前にして「多くのアドバイス、そして励ましをいただき、心の支えになっていました」と謝意を示していた。

 同作は、2015年のネパール大地震で壊滅したヒマラヤ山岳地帯の村で、様々な困難に直面しながらも復興を目指す村人たちをとらえている。石川監督が交流を深めた少年アシュバドルと家族、村で唯一の看護師である女性ヤムクマリを中心に、雄大な自然の中で懸命に生きる村人たちの姿を活写。女優の倍賞千恵子がナレーションを担当している。

 現地には6回訪れたという石川監督は、編集作業で「様々な人の意見をとりいれた」という。教鞭をとる大学の学生、先行上映会に訪れた人々のアドバイスに耳を傾け「その都度修正を加えていった」と明かした。今回作品を改めて鑑賞した山田監督は「今まで見たバージョンと少し編集が変わり、良くなっていますね」と感心しながら、「もしかしたら直せば直すだけよくなるのかもしれません」と冗談交じりに感想を述べていた。

 石川監督は「牛にベロベロと頭をなめられ続けるアシュバドルが『頭を洗っているんだ』と話すシーン」に関する山田監督の意見が「とても参考になった」と告白。「僕も大好きなシーンなんです。当初はすぐ次のシーンに転じていたんですが、山田監督は『このシーンはもっと見ていたいな。色んなことを考えたい。この姿を見て、昔の色々なことを思い出す時間が欲しいんだよ』と仰ってくれたんです。僕は全然気づかなったんですが、ひとつの大きなアドバイスになりました」と述懐していた。

 石川監督の言葉を受けて、山田監督は「いつまでも見ていたいシーン。30分でも40分でも」と絶賛。そして「(本作を通じて)家族や兄弟の在り方、両親と子どもの関係性について考えさせられました。アシュバドルの心を突き動かす感動や興奮は、今の日本の子どもたちは一生知らずに過ごしてしまうんじゃないかと感じることもありましたね」と語っていた。

 なお、この日はエンディング曲「Nda nahan」を歌う音楽ユニット「*はなおと*」のライブも行われた。