混ぜずにしばし鑑賞したくなる「家族会館」のビビンパ12,000ウォン

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韓国=食べ物がおいしい国というイメージが定着して久しいが、その韓国のなかでも特に美食地帯として有名なのが、半島南西部に位置する全羅北道(チョルラプッド)の道庁所在地、全州(チョンジュ)だ。

【写真13枚】食材豊か!全州(チョンジュ)の食の魅力を写真でじっくり見る。

全州と聞けばビビンパ(混ぜごはん)を思い出す人が多いと思う。

朝昼晩、毎食スペシャル感のある食事が楽しめるほど、その食文化は多彩だ。

その理由には諸説あるが、なにより韓国最大の穀倉地帯を有し、滋味豊かな海産物が豊富な黄海に面していることが大きい。

ソウルからは外国人専用の格安バス(毎週金土日運行/所要3時間半/片道でも往復でも10000ウォン/要予約)も運行しているので、日帰り、できれば一泊して食べ歩きを楽しんでもらいたい。

今回はソウル、釜山に次いで頻繁に全州を訪れている私の経験から、全州のおすすめ料理7選をお伝えしよう。

全州が本場、まずは定番のビビンパ

ソウルの明洞に石焼きビビンパの有名店があるため、石焼きがビビンパの王道だと思っている人がいるかもしれないが、あれは昔、全州のビビンパ専門店がソウルに出店する際、目玉商品として新たに開発したものだ。

正統派の全州ビビンパはあたためた器に牛骨でダシをとったスープで炊いたごはんを盛り、その上に多彩な総菜を盛り付けたもの。

じつは冷蔵庫にある常備菜をごはんにのせただけでも立派なビビンパなのだが、本場の専門店では、20種もの材料をひとつひとつ調理し、それをごはんの上にきれいに盛り付けている。色といい香りといい、まさに味の宝石箱。

しかも、全州のある全羅道は「食の人心がよい」といわれるように、ありったけの食材で来客をもてなす美風がある。ビビンパはそれを象徴する食べものだ。

韓国の人といっしょにビビンパを食べると、コチュジャンをたくさん入れて粘りが出るくらいよくかき混ぜて食べろと言われるが、日本からの旅行者には半分はよく混ぜ、半分はそのまま素材を味わうことをおすすめしたい。

家族会館
全州市完山区中央洞3街80番地2F TEL:063-284-2884
11:30〜21:00 無休

ビビンパよりあっさり、ヘルシーな釜飯

上記のビビンパは韓国式にコチュジャン系のタレを加えて混ぜて食べると、日本の人には単調な味に感じられてしまうことが少なくない。

もっと繊細な味を楽しみたいという人には、ごはんの上にさまざまなキノコや豆類、栗、ニンジンやゴボウなどの野菜類がのったトルソッパ(釜飯)をおすすめする。

ビビンパ同様、韓国人はコチュジャン系のタレを加えて混ぜて食べるが、日本の人はまずはそのまま食べてみるといいだろう。匂いも強く、味もはっきりしている他の韓国料理とちがい、香りもやさしく淡白な味わいであることにまず驚く。

繊維質の豊富な材料を多く使っているので、お腹の調子もよくなるはずだ。

パニャ・トルソッパ本店
全州市完山区孝子洞2街1156-6 TEL: 063-278-3003
10:30〜21:00 無休

カボチャを器代わりにして炊いた五穀メシ

ここは全州の人気サムギョプサル店なのだが、筆者の目当ては焼き肉の後の〆のカボチャごはん(タンホバッパ)。カボチャを器に見立て、豆や栗がたっぷり入った雑穀米を入れて炊いたものだ。

カボチャの甘みと香りがうつったごはんは、豚肉で脂っこくなった口中をさっぱりさせてくれる。そして、ほくほくのカボチャの実はデザート感覚でいただける。

水晶の板で焼くサムギョプサル(200グラム12,000ウォン)も高水準だが、カボチャごはんだけを食べに全州に行きたくなってしまう。

チャムナムッチッ
全州市完山区孝子洞1街445-2 TEL:063-222-3818
10:00〜22:00 無休

やかん入り生マッコリとつきだしを超えたつきだし

全州はマッコリ酒場が多いことで有名だ。生マッコリが3本分入ったやかんを頼むと、つきだし(というより立派なつまみ)がテーブルいっぱいに並ぶ。

あれこれ箸をつけていると、マッコリがどんどん進む。

やかんをもうひとつ頼むと、カンジャンケジャン(カニの醤油漬け)など、より贅沢なつまみが出てくる。

さらにマッコリを飲む。隣席の韓国人が話しかけてきて、乾杯が始まる。たがいのやかんで注ぎ注がれ昇天する。これが全州式マッコリの楽しみ方だ。

マッコリ一番地
全州市完山区西新洞835-13 TEL:063-254-7800
17:00〜05:00 無休

イェッチョンチプ
全州市完山区西新洞843-16 TEL:063-251-5388
16:00〜01:00 無休

サクサク、ふわふわの干しタラと野菜たっぷりの玉子焼き

日本でいえば「角打ち」に当たるのが全州のカメクだ。

カメクのカはカゲ(店)の頭文字、メクはメクジュ(ビール)の頭文字。

食料雑貨店が店内で客にビールを飲ませていたが、それが流行って椅子やテーブルを置くようになって居酒屋化が進み、いつのまにか居酒屋8、食料雑貨店2くらいの割合になった例だ。

カメクのような店は全国にあるが、全州では干しタラ(ファンテ)を炙ったものでビールを飲むのが基本スタイル。

一番の人気店「ジョンイル・シュポ」では、もともと質のよいタラを使っている上に、身をよく叩いてあるので、割ると粉を吹くほど。

その粉が口中の水分を一気に奪う。そこにビールを流し込む。またタラを噛む→ビール。このローテーションが楽しい。

ファンテに次ぐ人気メニューが韓国式玉子焼き(ケランマリ)。

玉子がたっぷり使われていて、中にはネギやニンジン、青唐辛子など野菜のみじん切りが入っているのでとってもヘルシー。

ジョンイル・シュポ
全州市完山区慶園洞3街13-12 TEL:063-284-0793
15:00〜01:30 日曜休

飲んだ翌朝は豆モヤシのスープ

ただ飲ませるだけが全州ではない。翌朝の二日酔いのケアまで万全なのがすごいところだ。

韓国は各地に特徴のある二日酔い解消料理があるが、全州のそれは豆モヤシのスープごはん(コンナムルクッパ)。

全州を中心とした全羅北道の名産である豆モヤシは、アルコールを分解するアミノ酸の一種であるアスパラギン酸を多く含むため、二日酔いの妙薬として知られている。

全州にはその専門店がいくつもあり、なかには全国でチェーン展開している店まである。

豆モヤシのスープなんてあっさりし過ぎなのではと思われるかもしれないが、イリコや牛肉でダシをとっているので、上品かつしっかりとした旨味がある。

唐辛子も適量入っているので、すするたびに汗が噴き出る。いわば食べるサウナだ。

サンベッチッ校洞直営店
全州市完山区校洞126-5 TEL:063-232-0307
24時間営業 無休