斉藤由貴のサイコパス演技に主演女優賞を!【冬ドラマ】

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【スナイパー小林の勝手にドラマ大賞 2017冬ドラマ 主演女優賞編】

 今クールのドラマで特徴的だったのは、女優陣のサイコパスな怪演が多かったこと。『真昼の悪魔(フジテレビ)』では田中麗奈が悪魔のような医者に。『奪い愛、冬(テレビ朝日)』では水野美紀が夫への嫉妬に狂う妻に。そして今回、私の中で一番面白かったドラマ『お母さん、娘をやめてもいいですか(NHK総合)』では斉藤由貴が、毒母に。どれも身の毛がよだつほど怖かったから、夏に放送したらよかったのに。

 さて、前回に引き続き、私の独断でドラマ大賞を発表。受賞者の方には特になんの賞品もありませんが、イチドラマ解説者からラブコールを受けたということで、記憶に留めていただければと……それでは、主演女優賞をどうぞ。

●主演女優賞:斉藤由貴/「お母さん、娘をやめてもいいですか」(NHK総合)

 早瀬美月(波留)は25歳、女子校の英語教師。母親の顕子(斉藤由貴)とは趣味も合い、秘密のない親友のような関係だったが、ある日、顕子が自分のデートを尾行していたことを知る。顕子の奇行は、美月と恋人との交際を執拗に反対し、別れるよう影で動くなど次第にエスカレートしていく。

 そんななか、父もリストラに追い込まれ、顕子の精神状態のように崩壊していく早瀬家。そして全てが壊れたときに顕子は気づく。もう娘からは離れるべきだと。

◆女を諦めなかった50歳女優の底力

 よく「今はドラマで何が一番面白いの?」「どれを見ておけばいいの?」と聞かれる。今クールに至っては、この作品が怖くて楽しみで仕方がないと回答していた。

 何に心をつかまれたかといえば、斉藤由貴の怪演。もうこれに尽きる。彼女が大きな目を見開くと同時に、ドラマのストーリーが動く。

 最終回では美月が「娘をやめたい」と言い出すと、「だったら……殺して。みっちゃんの手で……。みっちゃんにいらないって言われるぐらいなら死んだ方がいい、お願い……。ママを殺して……」と瞳孔を開きながらまさかの懇願。

 さらに怖さを引き立たせていたのは、顕子の追い詰められた表情から、いきなり笑顔に切り替わるあの瞬間だ。娘の交際を反対して厳しい表情を見せた直後、「どうしちゃったの? 怖い顔しちゃって」と我が子から嫌われることを恐れて態度をコロッと変える。ああ、こういう、男の前や上司の前では態度を豹変させるぶりっ子OLっていたな(イメージは小林麻耶)。あれはムカつくのだけど、明子の場合は完全にホラーの域。

 数年前に10キロ以上のダイエットに成功して「役の幅が広がった」と話していた斉藤由貴。確かに最近、CMでコミカルな母親になったり、大河に出演したりと活躍が目立つ。一時期は家庭に専念して一線から退いていたけれど、いつの間にか主役級の女優に返り咲いた。これからも私たちを“夢の中へ(1989年)”連れていって欲しいものだ(今回は悪夢だけど)。

<TEXT/スナイパー小林>
【スナイパー小林 プロフィール】
ドラマ解説、芸能、恋愛、カルチャー、美容・健康ネタ好きのライターであり、編集者であり。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上。約20年以上ドラマをこよなく愛し、ついには趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。Twitter:@hisano_k