Blackmagic Design製品事例:映画「海賊とよばれた男」の場合

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© 2016「海賊とよばれた男」製作委員会 © 百田尚樹/講談社

Blackmagic Designの発表によると、山崎貴監督の最新作「海賊とよばれた男」で、VFX用の素材撮影にURSA Mini 4K EFが使用されているという。また、URSA MiniのRAWデータからDaVinci Resolve Studioにより現像され、合成作業素材に使用された。

「海賊とよばれた男」は、「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズや「永遠の0」などの作品を数多く送り出している株式会社白組のVFXチームによる最新映画作品。2014年に邦画年間興行収入ランキングで1位となった、同社の山崎監督による「永遠の0」の制作チームが再結成され、百田尚樹氏による同名小説を映画化した。同作は、出光興産創業者の出光佐三をモデルとしており、主人公の国岡鐡造がさまざまな困難に立ち向かい、自身の会社である国岡商店を大企業へと成長させていく様子を描いている。主演を務めた岡田准一は、国岡の20代から90代までを熱演した。

同作では、メインカメラで撮影したグリーンバックショットに合わせるためのVFX素材撮りに Blackmagic URSA Mini 4Kが使用された。「今回の課題は、別のカメラ素材とデータとして整合性の高いVFX素材を撮影することでした」と同社ビジュアルエフェクトデザイナーの大久保榮真氏はコメントしている。追加のVFX用素材の撮影という状況で、カメラを選定する際には、操作性の簡単さ、内部収録が可能、4K解像度対応、RAW撮影、撮影後のデータのハンドリングのしやすさなどの条件があったという。

© 2016「海賊とよばれた男」製作委員会 © 百田尚樹/講談社

大久保氏:今回は本編撮影終了後に、VFX用の追加素材として弊社撮影部の細山正幸氏が撮影を担当しました。URSA Miniを初めて触れた状態で、準備期間1日で使い方、特性などを把握してもらい、無事撮影できたと言うのは大きいです。プロフェッショナルな機材ほど設定が細かいので慣れてない機材はミスしやすいが、URSA Miniは設定がシンプルなため、カメラマンとしての基本的な知識があれば、必要なポイントをしっかりと押さえることができました

撮影は海岸にカメラを持ち込んで行われた。

大久保氏:メインカメラを使おうとすると、外部収録機など持ち込む機材も増え、カメラ助手も必要になってきてクルーがどんどん大きくなってしまいます。URSA Miniは内部収録もでき、最小人数で撮影を敢行できました。撮影後すぐに、現場でデータを確認できる点も大事なポイントでした。また、EFマウントだったので弊社所有のレンズを使えた点も良かったですね。

ポストプロダクションの観点からは4K解像度やRAW撮影ができる点が決めてだったという。

大久保氏:撮影した素材を必要な部分を切り取り自由に使いたかったので、最終納品サイズの2Kより大きいデータが欲しかったんです。また、CGレンダリングでは16bit half floating pointでレンダリングしているので、合成作業の素材にも12ストップの幅広いダイナミックレンジの素材が欲しい。さらに、その素材を自分たちで正確に現像できる点も重要でした。

© 2016「海賊とよばれた男」製作委員会 © 百田尚樹/講談社

大久保氏のチームでは色管理にACES、OpenColor IOを活用し最終出力の2K DCI-P3をマスターとして作業をしている。VFXチームにデータを渡すときにも色管理をしっかりとした状態で渡す必要があった。VFXの特徴として元素材に見た目だけで合わせるのではなく、データのカラースペース、ガンマ、ダイナミックレンジなどのさまざまな情報が揃っている必要がある。

大久保氏:今回、Blackmagic URSA Mini 4K EFが利用できたのもDaVinci Resolveのカラーマネージメント機能によりURSA Mini 4KのRAWイメージから手軽にACESに変換できたことが大きいです。さらに、URSA Miniのプロファイルを熟知しているメーカーがDaVinci Resolveを出しているからこそ、こんなに手軽に正確な色で出力ができるのだと思います。

作業としては、DaVinci Resolveのカラーチャートによるマッチング機能を利用してリニアのACESにして.EXRのデータとして書き出した。従来は、一度ラボでグレーディングしてもらわなければならなかった作業が手元でできてしまうのはとても魅力的だったという。これにより、各チームで全て同じ色でショットを確認できた。

大久保氏:基本グレーディングの作業としてはファイル名を変更せずに編集チームと連携して作業する事が多いと思いますが、VFXチームでは素材を複雑な名前で管理するのを避けているため、DaVinci Resolveからの出力時にファイル名を変更しています。今回のVFX用素材の撮影で、Blackmagic URSA Miniの利便性はとても高かったです。いろいろな条件があるなか、選択肢はこれ以外ありませんでした。