Q:半年前から足の小指の側面が赤くなり、なかなか治らないので皮膚科で受診したら皮膚の炎症と言われました。ステロイドの軟膏を処方され、塗っていましたが、全然治りません。ほかの皮膚科で受診したら、掌蹠膿疱症と診断されました。漢方薬を使いたいと思うのですが、アドバイスをお願いします。(38歳)

 A:掌蹠膿疱症は、膿疱と呼ばれる皮疹が、手のひらや足の裏、側面などに出る疾患です。手足の他に、すねや膝に出ることもあります。最初に小さな水ぶくれ(水疱)ができ、次第に膿疱に変化します。
 その後、かさぶたとなり、角層がはがれ落ち、また水疱ができるを繰り返します。さらに、鎖骨や胸の中央(胸鎖肋関節)やそのほかの関節が痛くなることもあります。
 足の皮疹は症状も水虫に似ているし、できる場所も同じです。しかし、水虫は真菌の一種の白癬菌が原因ですが、掌蹠膿疱症は真菌も細菌も関係がありません。

●熱と湿を取る処方を用いる
 原因は不明ですが、好中球という白血球の一種が角質の中にたまっていることから、免疫応答に異常が起きていると考えられています。
 その異常を起こす原因として、慢性の病巣感染や歯の治療に用いた金属が関係していることがありますが、多くの場合、はっきりしません。
 私は、この病気は広い意味の生活習慣病の一つと捉えています。アジアモンスーンの高温多湿の日本は、水虫同様、掌蹠膿疱症ができやすい気候風土といえるでしょう。
 漢方薬を服用したいとのことですが、漢方では掌蹠膿疱症は熱と湿の病気ととらえます。掌蹠膿疱症に用いる漢方薬の基本的処方が「白虎加人参湯」で、「人参湯」を併せて処方します。
 白虎加人参湯には、熱と湿を取る作用がある石膏が配合されています。この他、膿疱がひどい場合に用いるものに「黄連解毒湯」があります。
 ご質問の方の場合、初期のようですし、これらの漢方薬の服用によって症状の改善が期待できるでしょう。
 なお、漢方薬の服用を希望する場合、漢方専門医や大学病院などの東洋医学外来で受診するようお勧めします。

岡田研吉氏(研医会診療所漢方科医師)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病等に成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。