「孤狼の血」に主演する役所広司(中央)と
共演の松坂桃李(右)、江口洋介

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 第69回日本推理作家協会賞を受賞した柚月裕子氏の小説を映画化する「孤狼の血」の製作会見が4月3日、都内のホテルで行われ、役所広司が主演、松坂桃李、真木よう子、石橋蓮司、江口洋介が共演、白石和彌監督がメガホンをとることが発表された。6人は柚月氏とともに会見に出席し、4月中旬から広島・呉で始まる撮影に向け意気込みを語った。

 暴対法成立以前の昭和の広島を舞台にし、「警察小説×『仁義なき戦い』」と評された同名小説を、「凶悪」「日本で一番悪い奴ら」の白石監督が映画化。捜査二課の新人・日岡(松坂)は、ヤクザとの癒着が噂される刑事・大上(役所)のもと、暴力団系列の金融会社社員失踪事件の捜査に参加。違法捜査も辞さない大上に戸惑いながらも、日岡は経験を積んでいく。やがて失踪事件を機に暴力団同士の抗争がぼっ発し、大上は大胆かつ強引な秘策に打って出る。

 役所と松坂は「日本のいちばん長い日」などでも顔を合わせたが、今作ではアウトローなバディに扮する。呉弁に苦戦中だという役所は「僕は某CMで、松坂くんの事務所の社長役です。非常に頼りになる男で、普段は本当に好青年なんです」と切り出し、場内を沸かせる。松坂も「出会いは、某CMの最初のシリーズだと思います」と振り返り、「一瞬しか絡みがなかったんですが、言葉にならない存在感。セリフが『そこまでだ、松坂!』と、本名を言われて嬉しかったんです」と相好を崩した。

 さらに松坂は、「『日本のいちばん長い日』でもご一緒しましたが、ここまでガッツリ、バディとして作品で生きられるのは楽しみでしょうがないです」と期待を込める。役所が「監督に撮影の余白を作っていただければ、酒でも飲みに行きたい」と話せば、松坂も「行きたいっすね!」と応じ、白石監督は「任せてください! 作ります」と誓っていた。

 また、作品の魅力を問われた役所は、「監督と初めてお会いしたときに『日本映画には元気のある作品が少ない』と話していました。脚本では、原作のハードボイルドに白石監督の世界を足し、もっとアウトローな映画になります。人間臭いユーモアもあって魅力的です」と語る。続けて「大上という男は、法律関係なく無茶苦茶に捜査します。彼なりの正義がどれだけ伝わるか楽しみです」と目を輝かせ、「登場人物も非常に魅力的なんです。詳しく言えませんが石橋蓮司さんの決めセリフは、日本では蓮司さんしか似合わない。楽しみにしてください」と含みを持たせていた。

 居並ぶ豪華キャストを前に、白石監督は「考えうる最高の俳優陣」と自信をみなぎらせ、「一刻も早く広島に入り、皆で大暴れしたい」と怪気炎。そして「かつての深作欣二さんや東映さんのような熱い物語は、日本ではなかなか作れないですが、海外では作られていて、それは寂しいと思いながら『凶悪』『日悪』を撮ってきました」と説明したうえで、「いよいよ核心、一番やりたいことをやれる作品にめぐり会えた。表現を自主規制せず、逃げずにやることを心に誓い、奮い立たせて準備しています」と情熱をほとばしらせた。

 「孤狼の血」は、真木がクラブ「リコ」のママ・高木、石橋が五十子会組長・五十子正平、江口が尾谷組の若頭・一之瀬を演じる。ほか滝藤賢一と田口トモロヲも出演。公開は2018年春を予定している。