韓国の聯合ニュースは2日、北朝鮮が2015年に改正した刑法の条文を入手したとして、その内容を報じた。

女子大生を拷問

聯合も指摘しているとおり、資本主義国の情報とアクセスしたり、資本主義国の文化に影響された行為をしたりすることへの罰則が強化されているのが目に付く。概要をまとめると、つぎのようになる。

* 「退廃的な文化」を搬入・流布・不法保管した罪=5年以下の労働教化刑(以下、懲役)から5年以上10年以下の懲役に。
* 「退廃的な行為」をした罪=2年以下の懲役から5年以上10年以下の懲役に。
* 「敵の放送」を聞いたか、敵地物(ビラ)を収集・保管・流布した罪=5年の懲役から10年の懲役に。
* 不法国際通信罪を新設=不法な国際通信をした者には1年以下の労働鍛錬刑、情状が重ければ5年以下の懲役。

補足して言うなら、北朝鮮で「退廃的な文化」という場合、それは資本主義国の文化を指す。韓国のドラマや、一部の例外を除いたハリウッド映画などはすべてここに当てはまるのだ。

北朝鮮当局が、海外のドラマや映画の国内での拡散を厳しく取り締まっていることは、こうして法の条文を見るまでもなくわかっていた。少し前には、韓国ドラマの映像データを所持していただけの女子大生が激しい拷問を受けたとの情報も伝わってきた。

(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

また、5年から10年もの懲役というのはそれだけで重罰と言えるが、北朝鮮の収容施設で横行する人権侵害の凄惨さを考えれば、摘発された人々にとって、有罪判決は死刑宣告にも等しいものと言える。

ポルノ撮影で処刑

というより、北朝鮮国内からは近年、「韓国ドラマのDVDを密売した」「中国キャリアの携帯で韓国に国際電話をかけた」などの理由で、多数の人々が処刑されたとの情報が伝わっている。北朝鮮当局は自ら定めた法をも超越して、「退廃的な文化」の流布に極刑をもって臨んできたのである。

そのような事象は、刑法が改正されたとされる2015年以前にも見られた。

たとえば2013年8月、有名芸術団のメンバー9人がポルノ映像を撮影し、頒布したことと、金正恩党委員長の夫人・李雪主(リ・ソルチュ)氏の名誉を傷つけたとの理由で公開処刑されている。

このように、北朝鮮では恣意的に極刑が用いられている印象があるが、実はそこにも、ある種のパターンがある。事件の経過の中に、反体制的とみなされる要素が含まれていた場合、犯人は反逆者となり、本来の罪名を超えた極悪人とされてしまうのだ。

もっとも、どのような要素が反体制的とみなされるかは、その時々の社会の雰囲気や独裁者の気分にも影響されるようだ。結局のところ、北朝鮮の人々はいつだって、どんな場合にでも、権力の都合によって葬られる危険と背中合わせであるということだ。